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特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[3]
単焦点および多焦点眼内レンズにおける距離別コントラスト感度の検討
著者: 甘利裕明1 鈴木恵奈1 平田憲史1 渡邊智人1 中塚秀司1 伊藤博隆1 杢野久美子1
所属機関: 1医療法人豊田会刈谷豊田総合病院眼科
ページ範囲:P.684 - P.688
文献購入ページに移動対象と方法:対象は,多焦点IOL(LENTIS® Comfort)を両眼に挿入した15例(男性7例,女性8例,平均年齢73.3±3.8歳)と単焦点IOL(VivinexTM iSert® 11例,AvanseeTM Preset 3例,AcrySof® IQ 1例)を両眼に挿入した15例(男性9例,女性6例,平均年齢77.0±4.9歳)である。accu-pad®を用いて,検査距離5mと1mにおける5つの空間周波数〔1.5cycles/degree(cpd),3cpd,6cpd,12cpd,18cpd〕について,コントラスト感度を測定した。
結果:検査距離5mのコントラスト感度は,多焦点IOLと単焦点IOLの両群間においてすべての空間周波数で有意差は認められなかった。検査距離1mのコントラスト感度は,中〜高空間周波数領域(12cpd,18cpd)において多焦点IOL群が有意に高値を示した(p<0.01)。
結論:多焦点IOLの視機能評価として,複数の距離におけるコントラスト感度検査の有用性が示唆された。
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