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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科76巻5号

2022年05月発行

文献概要

特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[3]

ブリモニジン酒石酸塩・ブリンゾラミド配合点眼薬の有効性について

著者: 山田雄介1 徳田直人1 重城達哉1 塚本彩香1 豊田泰大1 北岡康史1 高木均1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学眼科学教室

ページ範囲:P.695 - P.699

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要約 目的:緑内障薬物治療の多剤併用時おけるブリモニジン酒石酸塩(BMD)・ブリンゾラミド(BZM)配合点眼薬の有効性と副作用を検討する。

対象と方法:緑内障点眼薬を2剤以上併用している開放隅角緑内障患者を対象に,使用している緑内障点眼薬のうち,BMDとドルゾラミド(DRZ)の併用またはBMDとBZMの併用をBMD/BZM配合点眼薬に変更した群(切り替え群)と,BMDまたはBZMをBMD/BZM配合点眼薬に変更した群(追加群)に分けて6か月間観察した。

結果:切り替え群は21眼,追加群は15眼であった。眼圧は,切り替え群では変更前12.9±2.1mmHgが切り替え後6か月で12.6±1.7mmHgと有意差を認めなかった。追加群では,変更前17.0±4.3mmHgが変更後6か月で13.3±2.9mmHgと有意な眼圧下降が認められた。BMD/BZM配合点眼薬使用前の点眼内容別の眼圧推移は,BZMとBMDの併用からBMD/BZM配合点眼薬に切り替えた15眼の眼圧下降率は2.3%であった。DRZとBMDの併用からBMD/BZM配合点眼薬に切り替えた6眼の眼圧下降率は−5.5%であった。一方,BMDからBMD/BZM配合点眼薬に切り替えた11眼の眼圧下降率は18.6%であった。BZMからBMD/BZM配合点眼薬に切り替えた4眼の眼圧下降率は22.9%であった。両群ともに点眼継続が困難となる重篤な副作用は発現しなかった。

結論:BMDまたはBZMからBMD/BZM配合点眼薬への切り替え,BMD+BZMまたはBMD+DRZからBMD/BZM配合点眼薬への変更は眼圧下降効果において有効である。

参考文献

1)Shirai C, Matsuoka N, Nakazawa T:Comparison of adherence between fixed and unfixed topical combination glaucoma therapies using Japanese healthcare/pharmacy claims database:a retrospective non-interventional cohort study. BMC Ophthalmol 21:52, 2021
2)相原 一:ブリモニジン/ブリンゾラミド配合懸濁性点眼液の原発開放隅角緑内障(広義)または高眼圧症を対象とした第Ⅲ相臨床試験—ブリモニジンとの比較試験.あたらしい眼科37:1289-1298,2020
3)Maruyama Y, Mori K, Ikeda Y et al:Effects of long-term topical prostaglandin therapy on central corneal thickness. J Ocul Pharmacol Ther 30:440-444, 2014
4)Gandolfi SA, Lim J, Sanseau AC et al:Randomized trial of brinzolamide/brimonidine versus brinzolamide plus brimonidine for open-angle glaucoma or ocular hypertension. Adv Ther 31:1213-1227, 2014
5)永山幹夫・永山順子・本池庸一・他:ブリモニジン点眼によるアレルギー性結膜炎発症の頻度と傾向.臨眼70:1135-1140,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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