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特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著
間欠性外斜視の術後成績—両眼外直筋後転術と片眼外直筋後転術の比較
著者: 秋山澄1 後藤美和子1
所属機関: 1福岡市立こども病院眼科
ページ範囲:P.779 - P.784
文献購入ページに移動対象と方法:福岡市立こども病院で間欠性外斜視に対し両眼後転術もしくは片眼後転術を行い,術後3〜6か月の間に術後評価を行うことができた小児184例を対象とした。手術は基本的に斜視角30Δ以下を片眼後転術とし,それ以上は両眼後転術を選択した。検討項目は,術前眼位,後転量,年齢,術後眼位,矯正効果,整容的治癒(≦15Δ)とし,手術効果に影響する因子について後ろ向きに検討した。
結果:両眼後転術群と片眼後転術群で有意差があったのは,術前眼位,術後眼位,片眼あたりの後転量,矯正効果であった。術後眼位は,両眼後転術群は9.4Δ,片眼後転術群は12.6Δであった。矯正効果は,両眼後転術群は2.1Δ/mm,片眼後転術群は1.5Δ/mmであり,両群とも年齢による影響は認めなかった。整容的治癒率に有意差はなかったが,片眼手術の場合には整容的治癒に至らなかった群は,治癒群と比較して術前斜視角が有意に大きかった。
結論:両眼後転術群と片眼後転術群の整容的治癒率は同等であったが,片眼後転術の適応をより小さい斜視角の症例とすることで,より良い成績が得られると考えられた。
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