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特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著
Uveal effusionに対して25Gトロカールを用いて脈絡膜の良好な復位を得た1例
著者: 青木真一1 竹内正樹1 剣持瑞樹1 蓮見由紀子1 山田教弘1 水木信久1
所属機関: 1横浜市立大学附属病院眼科
ページ範囲:P.833 - P.837
文献購入ページに移動症例:58歳,男性。1週間前より視力低下を自覚し近医を受診したところ,横浜市立大学附属病院眼科に紹介となった。初診時の左視力は(0.6),左眼底に全周性の脈絡膜剝離,裂孔を伴わない漿液性網膜剝離,移動性のある網膜下液がみられた。また,蛍光眼底造影検査では,網膜下への蛍光漏出はみられず,leopard spot patternと思われる顆粒状の過蛍光がみられた。超音波断層検査で強膜の肥厚を認め,左眼軸長が22.27mmであったことから,湖崎・宇山分類Ⅱ型のUEの診断となった。1か月後に25Gトロカールの先端を毛様体下に位置するように調整しつつ留置し,トロカールから脈絡膜下液を排液したうえで硝子体切除術を施行した。速やかに脈絡膜下液は消失し,網膜下液は徐々に減少した。術後6か月で網膜下液は完全に消失し,脈絡膜剝離の再発もない。
結論:UEにおいて,経毛様体扁平部硝子体切除術を併用した25Gトロカールによる排液が有効かつ安全であると考えた。
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