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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科76巻7号

2022年07月発行

文献概要

今月の表紙

多焦点眼内レンズの前房内亜脱臼

著者: 赤岩沙織1 髙橋次郎1 堀裕一2

所属機関: 1獨協医科大学埼玉医療センター 2東邦大学

ページ範囲:P.883 - P.883

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 症例は48歳,男性。9年前に他院で両眼LASIK(laser in situ keratomileusis)施行の既往があった。その3年後に,前医で左眼白内障に対し,多焦点眼内レンズ(IOL)挿入を含む水晶体再建術が施行された。白内障手術から5年後にIOLの亜脱臼が生じたため,当院へ紹介され受診となった。初診時,視力は右0.8(1.2×−1.0D),左0.07×IOL(1.2×−3.5D()cyl−0.5D 70°),眼圧は右15mmHg,左23mmHgであった。細隙灯顕微鏡で左眼のIOLのハプティクスが前房内へ脱出した所見がみられた。このため,IOL摘出の後に硝子体切除術とIOL強膜内固定術を施行した。術直後に前房出血を認めたが,術後経過は良好であった。

 本撮影には,TOPCON社製スリットランプSL-D7にNikon社製デジタル一眼レフカメラD300を取り付けた装置を使用した。撮影中に被検者の視線の動きによりIOLからの虹色の反射が異なって観察されたため,スリットの光量と角度を調節しながら撮影を行った。IOL周囲の様子が把握できるようにスリット幅15mm,倍率10倍,マニュアルモードに設定し,多焦点IOLの回折格子にピントが合うよう撮影を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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