今月の表紙
転移性脈絡膜腫瘍
著者:
埜瀨菜々子1
鈴木康之2
所属機関:
1北海道大学大学院医学研究院眼科学教室
2東海大学
ページ範囲:P.1026 - P.1026
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患者は59歳,男性。右眼の視力低下を自覚し近医を受診した。右眼の脈絡膜突出と漿液性網膜剝離を認め,脈絡膜悪性黒色腫が疑われたため北海道大学病院眼科に紹介された。初診時の右視力は(1.0)であった。右眼の黄斑部上方に黄白色隆起病変があり,超音波Bモード検査において明らかな充実性腫瘍を認めた。フルオレセイン蛍光眼底造影検査で腫瘍周辺は蛍光漏出やwindow defectを示し,インドシアニングリーン蛍光眼底造影検査では腫瘍部は低蛍光を示した。腫瘍部は造影MRIにて造影増強効果を認め,T1強調画像ではやや低信号であった。その後,右眼の眼球摘出術が施行され,病理検査の結果,転移性脈絡膜腫瘍と診断された。
撮影はTRC-50DX(TOPCON社)を用いて行った。本症例は丈の高い腫瘍であったため腫瘍部を撮影する際には,補正レンズ切換ノブを+側に切り替え,さらに手動で血管にフォーカスを合わせることに留意した。より立体的に写るように部位によって細かく調整しながら撮影した。