文献詳細
特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[6]
原著
選択的レーザー線維柱帯形成術に影響を与える因子の検討
著者: 吉見翔太1 齋藤雄太2 和田清花3 恩田秀寿2
所属機関: 1昭和大学江東豊洲病院眼科 2昭和大学医学部眼科学講座 3昭和大学横浜市北部病院眼科
ページ範囲:P.1109 - P.1114
文献概要
対象と方法:昭和大学病院附属東病院にて2018年1月〜2020年12月に外来でSLTを施行した132例169眼中,白内障手術以外の眼手術歴がなく1か月以上経過観察できた症例を対象とし,両眼施行例は施行日が早い眼を選択した。レーザー照射後1か月の術後眼圧が18mmHg以下かつ術前より10%以上下降した症例を有効群,それ以外を無効群と定義し,2群間で症例背景について比較検討を行った。症例背景因子として年齢,病型〔原発開放隅角緑内障(POAG)/落屑緑内障(PEG)/その他〕,有水晶体眼/眼内レンズ挿入眼,術前点眼数,術前眼圧を選択し,ロジスティック回帰分析を行った。
結果:対象は64眼で年齢71.7±14.9歳,病型はPOAG 31眼/PEG 28眼/その他5眼,有水晶体眼29眼/眼内レンズ挿入眼35眼,術前点眼数4.4±1.1剤,術前眼圧23.9±7.8mmHgであった。また,有効群は44眼,無効群は20眼であった。両群間の症例背景においてロジスティック回帰分析を行ったところ,有水晶体眼/眼内レンズ挿入眼(p=0.008)が有意な因子とされ,オッズ比8.37(95%信頼区間1.70〜58.56)であった。
結論:白内障手術以外の眼手術歴のない患者において有水晶体眼はSLTによる眼圧下降の有意な因子であることが推測された。
参考文献
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