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特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
緑内障におけるビマトプロスト点眼による治療状況別での眼圧検討
著者: 永井雅大1 忍田栄紀1 町田繁樹1
所属機関: 1獨協医科大学埼玉医療センター眼科
ページ範囲:P.1121 - P.1126
文献購入ページに移動対象と方法:対象は,獨協医科大学埼玉医療センター眼科の緑内障外来を受診し,ビマトプロスト投与後に12週以上経過観察できた16例16眼。症例全体,病型別,治療状況別で眼圧の推移と下降率を評価した。観察期間は投与開始日,4,8,12週後で,病型は原発開放隅角緑内障(POAG)と正常眼圧緑内障(NTG),治療状況は単剤投与(以下,単剤),他剤からの切り替え(以下,切り替え),既治療への追加(以下,追加)とした。
結果:投与開始日,4,8,12週の平均眼圧は,投与開始日の23.0±5.1mmHgから20.0±5.1mmHg,19.7±4.6mmHg,19.9±4.3mmHgへ有意に低下した。4,8,12週後の眼圧下降率は13.0%,14.4%,13.3%であった。病型別では,POAGの眼圧が投与開始日の24.2±4.7mmHgから4,8,12週後で21.5±4.3mmHg,20.9±4.2mmHg,21.2±3.8mmHgへ有意に下降し,下降率は11.4%,13.7%,12.7%であった。NTGでは,眼圧が投与開始日の17.7±3.2mmHgから4,8,12週後で13.7±3.5mmHg,14.3±1.5mmHg,14.7±1.5mmHgへ下降し,下降率は22.6%,18.9%,17.0%であった。治療状況別では,単剤では投与開始日の17.7±3.2mmHgから4,8,12週後で13.7±3.5mmHg,14.3±1.5mmHg,14.7±1.5mmHgへ下降し,下降率は22.6%,18.9%,17.0%。切り替えでは,投与開始日の23.8±4.5mmHgから4,8,12週後で21.8±5.2mmHg,21.9±4.2mmHg,21.5±4.2mmHgへ下降し,下降率は8.4%,7.9%,9.5%。追加では投与開始日の25.0±5.4mmHgから4,8,12週後で21.0±2.9mmHg,19.4±4.0mmHg,20.6±3.4mmHgへ下降し,下降率は16.0%,22.4%,17.6%であった。
結論:ビマトプロスト点眼による有効な眼圧下降が,POAG眼およびNTG眼で治療状況にかかわらず得られた。
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