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特集 第75回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著
西葛西・井上眼科病院における職業運転手の運転機能評価
著者: 高橋佑佳1 國松志保1 平賀拓也1 小原絵美1 黒田有里1 田中宏樹1 井上賢治2
所属機関: 1西葛西・井上眼科病院 2井上眼科病院
ページ範囲:P.1259 - P.1264
文献購入ページに移動症例1:59歳,男性(緑内障)。運送会社のトラック運転手。視力は右(1.0),左(0.4)。Humphrey視野計 中心24-2 SITA standard(HFA24-2)にて,MD値は右−15.42dB,左−26.49dB。中心を含む上半視野障害を認めた。DSを施行したところ,15場面中2場面で事故を起こした(赤信号無視,左からの飛び出し)。リプレイ映像では,上方視野障害により,信号が黄色から赤色に変化していることに気づきにくいことを理解した。
症例2:49歳,男性(網膜色素変性)。ガス会社の営業職。視力は右(1.0),左(1.2)。HFA24-2でのMD値は右−27.46dB,左−27.89dB。輪状暗点を認め,中心視野は10°以内であった。上司の立ち合いのもと,DSを施行したところ,15場面中4場面(すべて左右からの飛び出し)で事故を起こした。求心性視野狭窄により左右の飛び出しに対応できなかったことを理解した。
結論:DSを施行したことで,患者本人や職場の関係者に視野障害による運転の危険性について理解し,納得してもらうことができた。
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