文献詳細
文献概要
臨床報告
緑内障チューブシャント手術(プレートのないものEX-PRESS®)の術後中期成績
著者: 原飛鳥1 徳田直人1 塚本彩香1 豊田泰大1 荒川明1 北岡康史1 高木均1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.134 - P.140
文献購入ページに移動対象と方法:対象はエクスプレス施行後36か月以上経過観察可能であった原発開放隅角緑内障34眼とした。同時期に線維柱帯切除術(LEC)が施行された33眼をコントロール群とし,眼圧,累積生存率,術後合併症について後ろ向きに比較検討した。
結果:眼圧は両群ともに観察期間中,術前と比較し有意な眼圧下降を維持した。術後36か月の累積生存率はエクスプレス群79.4%,LEC群72.7%と両群間に有意差を認めなかった。手術前後の角膜内皮細胞密度の減少率は,エクスプレス群では4.2%,LEC群では5.4%であった。術後合併症は,LEC群では低眼圧黄斑症や濾過胞感染症などの重篤な合併症を認めたが,エクスプレス群では認めなかった。エクスプレス群の予後不良因子の検討では,術前の眼圧が30mmHg以上であることが予後不良因子となった。
結論:エクスプレスはLECよりも術後合併症が少ないものの,LECと同等の眼圧下降効果を有する。ただし,術前眼圧が高い症例では術式選択には注意を要する。
参考文献
掲載誌情報