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特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
白内障手術を行った末期癌患者の3症例
著者: 中山馨1 上甲覚1
所属機関: 1国立病院機構東京病院眼科
ページ範囲:P.1303 - P.1307
文献購入ページに移動要約 目的:末期癌患者に対して白内障手術を行った報告。
症例:[症例1]白内障手術時65歳の男性。Stage Ⅳの肺腺癌化学療法および腰椎転移に対して放射線療法を行っていた。術前矯正視力は右0.7,左0.5。左眼からの手術希望があり,超音波白内障手術を施行した。術後視力は(1.2)に回復し,引き続き右眼の手術も希望していたが,左眼手術6週間後に死亡した。
[症例2]白内障手術時76歳の男性。Stage Ⅳの肺腺癌化学療法中。胸椎転移に対して放射線療法後,脳転移に対してγナイフを施行していた。術前矯正視力は右0.3,左0.2で術後は両(1.2)に改善した。術10か月後に死亡した。
[症例3]白内障手術時80歳の男性。Stage Ⅳの肺腺癌化学療法中。術前矯正視力は両0.9。右眼術後矯正視力は1.2に改善した。右眼手術4か月後に死亡した。
結論:末期癌の患者に対して白内障手術を実施し,生活の質を向上する医療を提供することができた。
症例:[症例1]白内障手術時65歳の男性。Stage Ⅳの肺腺癌化学療法および腰椎転移に対して放射線療法を行っていた。術前矯正視力は右0.7,左0.5。左眼からの手術希望があり,超音波白内障手術を施行した。術後視力は(1.2)に回復し,引き続き右眼の手術も希望していたが,左眼手術6週間後に死亡した。
[症例2]白内障手術時76歳の男性。Stage Ⅳの肺腺癌化学療法中。胸椎転移に対して放射線療法後,脳転移に対してγナイフを施行していた。術前矯正視力は右0.3,左0.2で術後は両(1.2)に改善した。術10か月後に死亡した。
[症例3]白内障手術時80歳の男性。Stage Ⅳの肺腺癌化学療法中。術前矯正視力は両0.9。右眼術後矯正視力は1.2に改善した。右眼手術4か月後に死亡した。
結論:末期癌の患者に対して白内障手術を実施し,生活の質を向上する医療を提供することができた。
参考文献
1)Stava C, Beck M, Vassilopoulou-Sellin R:Cataracts among cancer survivors. Am J Clin Oncol 28:603-608, 2005
2)Modak JM:Cataract surgery in cancer patients and its impact on quality of life as measured by the National Eye Institute Visual Functioning Questionnaire-25(NEI-VFQ-25). Texas Medical Center Dissertations. AAI1516314, 2012
3)馬場高志・船越泰作・井上幸次:イマチニブによる結膜浮腫のため休薬して白内障手術を施行した1例.臨眼73:589-593,2019
4)Masood I, Negi A, Dua HS:Imatinib as a cause of cystoid macular edema following uneventful phacoemulsification surgery. J Cataract Refract Surg 31:2427-2428, 2005
5)Hou CH, Lee JS, Lin KK et al:Endophthalmitis incidence of cancer patients after cataract surgery:a nationwide matched cohort study in Taiwan. Am J Ophthalmol 199:246-254, 2019
6)大鹿哲郎・杉田元太郎・林 研:白内障手術による健康関連 quality of lifeの変化.日眼会誌109:753-760,2005
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