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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科77巻12号

2023年11月発行

文献概要

連載 イチからわかる・すべてがわかる 涙器・涙道マンスリーレクチャー・12

急性涙囊炎

著者: 三谷亜里沙1

所属機関: 1愛媛大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1489 - P.1492

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●初回治療では広域抗菌薬を処方するが,投与前に眼脂を培養検査に提出しておき,臨床経過や薬剤感受性の結果によって変更できるよう準備しておく。

●稀に眼窩蜂巣炎や,眼窩内膿瘍など重篤な病態に進展する場合がある。治療初期は効果判定ができるまで頻回に診察を行い,抗菌薬開始後も症状改善が得られない場合は,CT検査などで眼窩隔膜より後方(眼窩側)への波及がないかを見きわめ,外科的ドレナージの適応時期を逃さないよう注意する。

●感染症状の軽快後には,再発予防目的に鼻涙管閉塞の原因を検索し,根治的治療として涙囊鼻腔吻合術(DCR)に代表される涙道手術を検討する。

参考文献

1)Eshraghi B, Abdi P, Akbari M et al:Microbiologic spectrum of acute and chronic dacryocystitis. Int J Ophthalmol 7:864-867, 2014
2)Martins MC, Ricardo JR, Akaishi PM et al:Orbital abscess secondary to acute dacryocystitis:case report. Arq Bras Oftalmol 71:576-578, 2008
3)杉本 学・井上 康:鼻涙管閉塞症に対する涙道内視鏡下チューブ挿入術の長期成績.あたらしい眼科27:1291-1294,2010
4)Mimura M, Ueki M, Oku H et al:Indications for and effects of Nunchaku-style silicone tube intubation for primary acquired lacrimal drainage obstruction. Jpn J Opthalmol 59:266-272, 2015
5)鶴丸修士・野田佳宏・山川良治:涙道閉塞症に対する涙管チューブ挿入術後の再閉塞の検討.眼科手術29:473-476,2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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