文献詳細
文献概要
特集 視神経炎診療のブレークスルー—病態理解から新規治療まで
企画にあたって
著者: 鈴木康之1
所属機関: 1東海大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.169 - P.169
文献購入ページに移動 視神経炎は急激な視力低下をきたす疾患で,従来,原因として多発性硬化症(MS)と関連していることが多いとされてきました。また,ステロイド治療に反応して比較的良好な予後が期待できることが多いと考えられた時期も長く,さらにそのステロイド治療に関しても1992に発表されたOptic Neuritis Treatment Trialと1999年に発表されたOptic Neuritis Treatment Trial Multicenter Cooperative Research Groupのトライアルのインパクトが強く,あえて使わなくても大丈夫という印象をもたれている先生も少なからずいるかもしれません。
しかしながら,ステロイド治療にも抵抗性で再発を繰り返し,みるみる視力低下していく症例があり,そのような症例に抗アクアポリン4(AQP-4)抗体が認められることが明らかになったことにより状況は一変しました。髙橋先生の分類を引用させていただくと,現在では狭義の視神経炎は原因不明の特発性視神経炎,MSに伴う視神経炎,抗AQP-4抗体陽性視神経炎,抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白(MOG)抗体陽性視神経炎に分類され,このなかでも特に予後不良な抗AQP-4抗体陽性視神経炎への治療がきわめて大事であるということが広く認識されるようになってきました。
しかしながら,ステロイド治療にも抵抗性で再発を繰り返し,みるみる視力低下していく症例があり,そのような症例に抗アクアポリン4(AQP-4)抗体が認められることが明らかになったことにより状況は一変しました。髙橋先生の分類を引用させていただくと,現在では狭義の視神経炎は原因不明の特発性視神経炎,MSに伴う視神経炎,抗AQP-4抗体陽性視神経炎,抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白(MOG)抗体陽性視神経炎に分類され,このなかでも特に予後不良な抗AQP-4抗体陽性視神経炎への治療がきわめて大事であるということが広く認識されるようになってきました。
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