文献詳細
特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[1]
原著
Air Bubble Technique Full View Vitrectomy
著者: 松岡貴大12
所属機関: 1静岡赤十字病院眼科 2浜松医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.343 - P.346
文献概要
症例:81歳,女性。糖尿病網膜症に対して,水晶体再建術と硝子体手術を施行した。中心部硝子体切除後,圧迫下で硝子体切除を行うも疼痛の訴えが非常に強く,結膜下麻酔を追加したが体動のため手術安全性の確保が難しい状況にあった。非圧迫下で可能な範囲で網膜光凝固し,2mL程度の空気を硝子体腔内に注入したところ,術野が広がり,非圧迫下で容易に光凝固追加が可能となった。その後,疼痛の訴えもなく,安全に汎網膜光凝固を完成させ終了とした。
考察:眼底観察システムを使用した状態に少量の空気を注入することで超広角術野を獲得し,硝子体切除,光凝固が可能となる。追加特殊器具を要さず,操作は非常に容易である。すなわち,誰でも,いつでも,どの患者に対しても行うことができる。また,圧迫による術後炎症を軽減することにもつながり,圧迫操作に不安を感じる術者や圧迫困難症例に対しても有用な方法である。
結論:このテクニックにより,超広角周辺網膜観察,硝子体処理が可能となる。
参考文献
掲載誌情報