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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科77巻3号

2023年03月発行

文献概要

特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著

高齢患者のアイフレイル調査

著者: 藤嶋さくら1 井上賢治1 天野史郎1 徳田芳浩1 塩川美菜子1 方倉聖基1

所属機関: 1井上眼科病院

ページ範囲:P.373 - P.378

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要約 目的:アイフレイルとは加齢に伴って視機能が低下した状態を指す。今回,高齢者のアイフレイル状況を検討した。

対象と方法:井上眼科病院を受診した60歳以上の初診患者のうち,アイフレイル自己チェック10項目(質問①〜⑩)を実施した2,140例を対象とした。チェック数,各項目について男女別,年齢別(60歳台,70歳台,80歳以上)に比較した。

結果:チェック数は,男性(826例)3.4±2.2個は女性(1,314例)3.8±2.2個より有意に少なかった。60歳台(940例)3.4±2.1個,70歳台(841例)3.8±2.2個,80歳以上(359例)4.2±2.4個で,年齢とともに有意に増加した。60歳台では,①疲れやすい63.6%,⑤眼鏡をかけてもよく見えない51.7%,③新聞や本を長時間見ない48.7%,70歳台では,①疲れやすい62.2%,⑤眼鏡をかけてもよく見えない58.1%,③新聞や本を長時間見ない57.3%,80歳以上では,①疲れやすい64.3%,⑤眼鏡をかけてもよく見えない64.3%,③新聞や本を長時間見ない62.4%の順でチェックした人が多かった。

結論:アイフレイル症状は女性の高齢者に多く,年齢とともに増加していた。高齢者でのチェック項目は,年齢にかかわらずほぼ同等であった。

参考文献

1)厚生労働省:第23回生命表(完全生命表).2022
2)日本眼科医療機器協会:アニュアルレポート2022(https://www.joia.or.jp/annual_report/annual-report-2022/p11/)
3)鈴木 崇・堀 裕一:硝子体内注射実施場所に対するアンケート調査.眼科手術35:154-156,2022.
4)辻川明孝:「アイフレイル」対策における眼科医の役割.日本の眼科92:957-958,2021
5)Uchino M, Nishiwaki Y, Michikawa T et al:Prevalence and risk factors of dry eye disease in Japan:Koumi study. Ophthalmology 118:2361-2367, 2011
6)厚生労働省:2021年 国民生活基礎調査の概況(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa21/index.html)
7)内閣府:令和2年交通安全白書(全文)(https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r02kou_haku/zenbun/index.html)
8)大口泰治・梶田雅義:壮年〜老年期の眼鏡処方.Oculista 112:45-53,2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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