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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科77巻3号

2023年03月発行

文献概要

特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著

井上眼科病院のロービジョン専門外来を受診した患者の同行援護の利用状況

著者: 鶴岡三惠子1 永沼加代子1 井上賢治1

所属機関: 1井上眼科病院

ページ範囲:P.379 - P.384

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要約 目的:井上眼科病院のロービジョン(LV)外来を受診した患者の同行援護の利用状況を調査したので報告する。

対象と方法:2021年1月からの1年間にLV外来を受診した206例とした。同行援護の利用状況等について後ろ向きに調査を行った。

結果:LV外来受診者の年齢は9〜97歳(平均59.0歳)であった。性別は男性114例,女性92例であった。このうち,同行援護利用者は25例(12%)であった。年齢は19〜90歳(平均61.3歳)で,性別は男性11例,女性14例であった。65歳以上の利用者は10例であった。同行援護利用者の原因疾患は網膜色素変性9例,緑内障6例,視神経疾患5例,網脈絡膜萎縮1例,その他4例であった。視覚の身体障害者手帳(手帳)の取得状況は1級11例,2級10例,4級2例,5級2例であった。一方,LV外来受診者の歩行訓練の利用は49例で,同行援護サービスとの併用利用は12例であった。また,65歳以上の介護保険利用は25例で,同行援護利用は10例であった。

結論:井上眼科病院のLV外来を受診した患者の同行援護の利用率は12%で,手帳は1・2級の重度障害が84%であった。一方,歩行訓練の利用率は24%,介護保険の利用率は27%であった。同行援護は,患者や家族に助けになる制度で,当院のLV外来受診患者へのさらなる啓発が必要と考えた。

参考文献

1)厚生労働省:障害者自立支援法(https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/02/tp0214-1c.html)(閲覧日:2023年1月23日)
2)筒井孝子:これからの地域医療における地域医療構想(ビジョン)と地域包括ケアシステムのあり方.厚生の指標63:1-8,2016
3)天野光充:介護・在宅医療だより35 障害者総合支援法と介護保険.日本の眼科85:1745-1747,2014
4)茨城県視覚障害者協会:同行援護制度アンケート調査結果の概要について(http://www.ibashikyo.jp/library/5af11454b88b5db6209577ff/5f50588ae8d40b1629bf19be.pdf)(閲覧日:2023年1月23日)
5)厚生労働省平成28年度障害者総合福祉推進事業 視覚障害者のニーズに対応した機能訓練事業所の効果的・効率的な運営の在り方に関する調査研究事業 報告書(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000194498.pdf)(閲覧日:2023年1月23日)
6)厚生労働省平成25年度障害者総合福祉推進事業「同行援護に関する実態把握と課題について」調査 結果報告書(https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000067362.pdf)(閲覧日:2023年1月23日)
7)厚生労働省:令和2年度 介護保険事業状況報告(年報)(https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/20/index.html)(閲覧日:2023年1月23日)
8)鶴岡三惠子・永沼加代子・井上賢治:井上眼科病院のロービジョン専門外来を受診した患者の介護保険の利用状況.臨眼76:362-367,2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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