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臨床報告
急性期網膜中心動脈閉塞症の発症時間別の光干渉断層像所見
著者: 森絵里1 市川良和1 西尾真以1 藤本太一1 小宮有子1 今村裕1
所属機関: 1帝京大学医学部附属溝口病院眼科
ページ範囲:P.445 - P.450
文献購入ページに移動対象と方法:対象は急性期CRAO患者9名9眼。平均年齢は71.2歳,女性5名。発症からOCT撮像時間は5分〜72時間(中央値7時間)。中心窩網膜厚(CFT),中心窩から上方,下方,鼻側,耳側500μmの網膜厚,および4方向のINL厚をOCTで測定し,平均値を健眼と比較した。
結果:網膜内層の高輝度化は全症例で確認された。CFTは患眼と健眼で有意差はなかった。中心窩から500μmの網膜厚は全症例で有意に健眼より肥厚した(406μm vs 230μm,t検定,p=0.017)。全症例のINL厚の平均値は有意に健眼より薄かった(14.9μm vs 33.1μm,t検定,p=0.003)。
結論:急性期CRAOではまず網膜内層の高輝度化と浮腫がみられ,その後INLの菲薄化がみられる。INLの菲薄化は急性期CRAOの内層の虚血を示す,重要な画像上のバイオマーカーである。
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