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臨床報告
アルベンダゾールとステロイドが著効した眼トキソカラ症の1例
著者: 堀川寛明1 井上裕治1 水野嘉信1 渡邊恵美子1 溝田淳1
所属機関: 1帝京大学医学部眼科学講座
ページ範囲:P.451 - P.456
文献購入ページに移動症例:34歳,男性。1か月前からの右眼視野欠損を主訴に近医を受診した。右眼に硝子体混濁,漿液性網膜剝離,下方アーケード血管の網膜下に1.3乳頭径大の白色隆起認め,帝京大学医学部附属病院に紹介され受診した。当院受診時の矯正視力は右0.7。白色隆起から中心窩に向かって漿液性網膜剝離を認め,フルオレセイン蛍光眼底造影検査では早期から病変部からの蛍光漏出および組織染,加えて広範に静脈血管壁の過蛍光を認めた。血液検査では,CRP軽度上昇およびIgE高値を認めたが,好酸球増多は認めなかった。ウェスタンブロッティング試験にて眼トキソカラ症と診断した。診断後,アルベンダゾールおよびステロイド内服を開始した。白色隆起病変は線維化し,滲出性変化が改善した。右眼視力は治療開始2か月後には矯正視力1.0と改善した。
結論:アルベンダゾールおよびステロイド内服治療が著効した眼トキソカラ症を経験した。
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