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特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著
水晶体囊拡張リング併用眼内レンズ挿入眼に発症した急性隅角閉塞の2例
著者: 横溝真由美1 伴紀充1 内田敦郎1 藤岡俊平1 栗原俊英1 篠田肇1 根岸一乃1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.485 - P.490
文献購入ページに移動症例1:患者は58歳,男性。来院半年前に前医で両眼CTR併用白内障手術を施行されている。右視力低下,高眼圧を認め,慶應義塾大学病院(以下,当院)を紹介され受診した。初診時矯正視力は右0.03,右眼圧46.3mmHgで,IOL偏位と全周性の隅角閉塞を認めた。CTRとIOLの複合体(CTR-IOL)を摘出し,硝子体切除術およびIOL強膜内固定術を施行したところ,術後の眼圧と視力は改善した。
症例2:患者は72歳,女性。来院3年前に前医で両眼CTR併用白内障手術を施行されている。右視力低下を認め,当院を紹介され受診した。右裸眼視力は0.4,眼圧は66mmHgで,IOLの下方偏位とこれに伴う上方の隅角閉塞を認めた。眼圧下降薬点眼,1%アトロピン点眼で保存的加療を行うも眼圧は高値を継続したため,CTR-IOLを摘出し,硝子体切除術,IOL強膜内固定術を施行したところ,術後の眼圧と視力は改善した。
結論:CTR挿入後の中長期合併症として急性隅角閉塞が生じる可能性がある。治療としてCTR-IOL摘出,硝子体手術,IOL強膜内固定術が有効であった。
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