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特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
乳頭ピット黄斑症候群に併発した全層黄斑円孔に対し硝子体手術および網膜光凝固術を施行した1例
著者: 杉浦楓1 石本敦子1 盛秀嗣1 山田晴彦1 髙橋寛二1
所属機関: 1関西医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.600 - P.605
文献購入ページに移動症例:79歳,男性。近医にて左眼黄斑円孔と診断され,当院を紹介され受診となった。左眼矯正視力は0.1で,眼底には乳頭小窩と乳頭から黄斑部にかけての網膜分離と全層黄斑円孔を認めた。以上から,黄斑円孔を伴った乳頭ピット黄斑症候群と診断し,白内障手術併用硝子体手術を施行した。手術では,後部硝子体剝離の作成および人工的に剝離を行った内境界膜(ILM)を黄斑円孔と乳頭ピットに充塡し,ガスタンポナーデを施行した。術後,黄斑円孔は中心窩網膜上縁で閉鎖するも外層黄斑円孔と網膜分離は残存した。術2か月後と4か月後に視神経乳頭耳側縁にPCを施行し,網膜分離は軽減したが,黄斑円孔は再発した。その2か月後に黄斑円孔は自然閉鎖し,矯正視力は0.3となった。
結論:黄斑円孔を伴う乳頭ピット黄斑症候群に対して,ILM移植併用硝子体手術と乳頭耳側縁へのPCの併用が有用と考えられた。
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