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特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
白内障手術後に再発したⅡ型uveal effusion syndromeの1例
著者: 岩山直樹12 竹内正樹1 河野慈2 澁谷悦子1 蓮見由紀子1 石原麻美1 山田教弘1 水木信久1
所属機関: 1横浜市立大学附属病院眼科 2JCHO横浜保土ケ谷中央病院眼科
ページ範囲:P.639 - P.643
文献購入ページに移動症例:59歳,男性。1週間前から左眼視力低下を自覚した。前眼部,中間透光体に特記事項はなく,左眼後眼部は全周性で胞状の体位変換で容易に可動する非裂孔原性網膜剝離および下方優位の脈絡膜剝離を認めた。網膜光干渉断層検査,超音波断層検査,蛍光眼底造影検査(FA/IA)が施行された。非小眼球で強膜肥厚を認め,Ⅱ型UESと診断され,25Gトロカールによる脈絡膜下液の排液と硝子体切除術が行われ網脈絡膜復位を得た。術16か月後に左眼白内障手術を施行し,術中術後は経過良好であったが,白内障手術1か月後,再度左眼視力低下を自覚し,初発時と同様の所見を認めUES再発と診断された。再びトロカールによる排液と硝子体手術が追加施行され,網脈絡膜復位を得た。その後9か月間再発は認めていない。
結論:本症例は,脈絡膜下液の排液と硝子体切除術がUESの治療,再発後の治療として有効であり,白内障手術はⅡ型UESの再発のきっかけになることも示した。
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