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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科77巻5号

2023年05月発行

文献概要

Book Review

有水晶体眼内レンズ手術 動画付

著者: 根岸一乃1

所属機関: 1慶應義塾大学・眼科学

ページ範囲:P.654 - P.654

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 ICL(Visian ICL:STAAR Surgical社)は,1997年にCEマークを取得し,2010年2月に日本で初めて薬事承認を得た有水晶体眼内レンズで,現在ではおよそ70か国で使用されています。現在使用されている最新モデルは,清水公也教授が考案した光学部中心に極小の貫通孔のあるICL KS-AquaPORT®(2011年CEマーク取得,2014年に国内薬事承認)をベースにレンズ全体の大きさを変えずに有効光学径を拡大したEVO+Visian ICL®です。ICL KS-AquaPORT®のレンズは中央に0.36mmの貫通孔を開けたことにより,視機能への影響はなく,かつLI(レーザー虹彩切開術)やPI(周辺虹彩切除術)をせずとも,房水循環の維持を可能とし,従来型での問題であった術後合併症である白内障の発症を限りなく低減させました。この,日本発の画期的なアイデアがイノベーションを起こし,世界中に広まったことは,同じ日本人として非常に誇らしく,これを考案された清水先生にはあらためて敬仰します。

 さて,本書は本邦初のICL手術の教科書です。編集は,ICL KS-AquaPORT®の考案者である清水先生と,その下でともに長年にわたりICL手術に関するデータを世界に発信され,エビデンスを積み上げてこられた神谷和孝先生で,執筆者にはICLの臨床経験が豊富なエキスパートの先生方が名を連ねられています。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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