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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科77巻5号

2023年05月発行

文献概要

特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著

初診患者のアイフレイル調査

著者: 井上賢治1 天野史郎1 徳田芳浩1 塩川美菜子1 方倉聖基1

所属機関: 1井上眼科病院

ページ範囲:P.662 - P.668

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要約 目的:視機能の衰えを意味するアイフレイルが提唱された。初診患者のアイフレイル状況を検討した。

方法:井上眼科病院を受診した初診患者で,アイフレイル自己チェック10項目を実施した5,513例を対象とした。チェック数,各項目のチェックを,男女別,年齢別(39歳以下,40〜69歳,70歳以上)に比較した。

結果:チェック数は男性(2,250例)2.7±2.2個が女性(3,263例)3.1±2.2個に比べて有意に少なかった。男性は,①疲れやすい56.0%,⑤眼鏡をかけてもよく見えない37.6%,女性は,①疲れやすい66.4%,③新聞や本を長時間見ない44.9%の順でチェックが多かった。年齢別では,39歳以下(1,273例)1.7±1.7個,40〜69歳(3,040例)3.1±2.1個,70歳以上(1,200例)3.9±2.3個で年齢とともに有意に増加していた。39歳以下では,①疲れやすい51.0%,⑥まぶしい29.0%,40〜69歳では,①疲れやすい66.5%,③新聞や本を長時間見ない43.3%,70歳以上では,①疲れやすい62.8%,⑤眼鏡をかけてもよく見えない60.0%の順でチェックした人が多かった。

結論:アイフレイル症状は女性に多く,年齢とともに増加していた。チェック項目は男女,年齢に多少の違いがあった。

参考文献

1)辻川明孝.「アイフレイル」対策における眼科医の役割.日本の眼科92:957-958,2021
2)アイフレイル/日本眼科啓発会議アイフレイル啓発公式サイト[https://www.eye-frail.jp/(閲覧日:2023年3月8日)]
3)Sasaki K, Sasaki H, Jonasson F et al:Racial differences of lens transparency properties with aging and prevalence of age-related cataract applying a WHO classification system. Ophthalmic Res 36:332-340, 2004
4)Iwase A, Suzuki Y, Araie M et al:The prevalence of primary open-angle glaucoma in Japanese:the Tajimi Study. Ophthalmology 111:1641-1648, 2004
5)Yasuda M, Kiyohara Y, Hata Y et al:Nine-year incidence and risk factors for age-related macular degeneration in a defined Japanese population the Hisayama study. Ophthalmology 116:2135-2140, 2009
6)Uchino M, Nishiwaki Y, Michikawa T et al:Prevalence and risk factors of dry eye disease in Japan:Koumi study. Ophthalmology 118:2361-2367, 2011
7)内閣府.令和2年交通安全白書(全文).[https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/r02kou_haku/zenbun/index.html(閲覧日:2023年3月8日)]
8)大口泰治・梶田雅義:壮年〜老年期の眼鏡処方.OCULISTA 112:45-53,2022

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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