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特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[4] 原著
昭和大学江東豊洲病院におけるAcrySof® IQ PanOptix®とTECNIS Synergy®の術後成績の検討
著者: 二階堂裕士1 小菅正太郎1 平野彩1 吉見翔太1 桂沙樹1 岩渕成祐1
所属機関: 1昭和大学江東豊洲病院眼科
ページ範囲:P.728 - P.732
文献購入ページに移動対象と方法:対象は2019年2月〜2022年2月に,当院にてPanOptix®(以下,P群)とTECNIS Synergy®(以下,S群)を挿入した53例94眼のうち,白内障以外の眼科疾患および術中・術後トラブルがなく,術後3か月以上経過観察できた32例58眼とした。P群は28例50眼(72.2±8.0歳),S群は4例8眼(71.5±5.6歳)。方法は術後3か月の遠見(5m),中間(70cm),近見(30cm)裸眼logMAR視力,術後自覚屈折値(等価球面度数)を後ろ向きに調査し,術前予想屈折値(P群:−0.01±0.14D,S群:0.05±0.10D)と合わせて比較検討した。
結果:術後3か月の裸眼logMAR視力はP群遠見0.01±0.11,中間0.12±0.13,近見0.27±0.12,S群遠見0.03±0.05,中間0.12±0.16,近見0.29±0.21であった。遠見・中間・近見の裸眼視力は両群で有意差はなかった。術後3か月の自覚屈折値は,P群0.03±0.31D,S群−0.09±0.18Dであり,自覚屈折値−術前予想屈折値はP群で0.04±0.29D,S群で−0.14±0.21Dであった。
結論:P群,S群ともに遠見・中間・近見での良好な裸眼視力を得られた。また,P群は術前予想と術後3か月自覚屈折値の誤差は軽度であるが,S群では予想よりも術後3か月自覚屈折値は近視化する傾向であった。
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