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特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
低加入度数分節型眼内レンズ5症例と単焦点眼内レンズ5症例の満足度比較
著者: 菊地有希久1 前原紘基12 菅野俊雄2 森隆史1 向井亮1 石龍鉄樹1
所属機関: 1福島県立医科大学眼科学講座 2公立藤田総合病院眼科
ページ範囲:P.1001 - P.1006
文献購入ページに移動対象と方法:対象は術後等価球面度数−0.50Dを想定し,両眼白内障に対し両眼に同じ種類の眼内レンズ移植を行い,両眼ともに術後遠方裸眼視力0.7以上となった症例(平均年齢77.2±7.6歳),LC群5例10眼,単焦点群5例10眼である。白内障手術は2週間の間隔で行い,2眼目の治療1週間後時点の距離別満足度および総合満足度を,非常に満足,満足,普通,不満,非常に不満のなかから回答してもらうアンケート形式で調査した。
結果:術後裸眼遠方視力(logMAR)の平均はLC群0.07±0.07,単焦点群0.04±0.12であり,両群間に差はなかった(p=0.85)。術後等価球面度数の分布は,−1.00D以下がLC群9眼,単焦点群3眼,−1.00D超え−0.50D以下がLC群0眼,単焦点群4眼,−0.50D超え0D以下がLC群1眼,単焦点群3眼であった。「非常に満足」と「満足」の合計は,遠方においてLC群と単焦点群ともに5/5(100%),中間距離においてLC群5/5(100%),単焦点群3/5(60%),近方においてLC群4/5(80%),単焦点群1/5(20%)であった。
結論:両眼同一の度数設定で同種の眼内レンズを移植する場合は,低加入度数分節型眼内レンズを選択すると遠方から近方まで術後満足度が高くなる可能性がある。
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