文献詳細
特集 第76回日本臨床眼科学会講演集[6]
原著
オミデネパグイソプロピル点眼で角膜乱視度数および角膜高次収差が変化した兄妹例
著者: 植木麻理1 柴田真帆1 豊川紀子1 黒田真一郎1
所属機関: 1永田眼科
ページ範囲:P.1012 - P.1016
文献概要
症例1:22歳,男性。目のかすみを主訴に受診した。視力は両眼(1.2),眼圧は右26mmHg,左28mmHgであった。右眼にOMDI点眼を開始したところ,視力低下を自覚した。右眼圧は11mmHgで,視力は(1.2)であったが,角膜乱視度数が−0.25Dから−1.0Dと増強,角膜高次収差も大きくなっていた。左眼にOMDI点眼開始後,右眼と同様の変化を認め,両眼とも角膜厚が増大していた。
症例2:19歳,女性(症例1の妹)。眼鏡処方を希望して受診した。視力は右(1.5),左(1.2),眼圧は右28mmHg,左30mmHgであった。両眼にOMDI点眼を開始。1か月後,眼圧は両眼とも12mmHgと下降したが,角膜乱視度数は増強,角膜高次収差も大きくなった。充血にて点眼自己中止し再診した。眼圧は再上昇し,角膜乱視度数や角膜高次収差は軽減していたが残存していた。角膜厚は増大していた。
結論:OMDIによる著明な眼圧下降と角膜乱視度数や角膜高次収差,角膜厚が変化した兄妹例を経験した。OMDI点眼開始後の見えにくさに角膜肥厚による角膜乱視や角膜高次収差の変化が関与している可能性がある。
参考文献
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