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臨床報告
COVID-19感染流行前後における当院での患者数,手術件数動態の比較検討
著者: 阪本知瞭1 西脇弘一1
所属機関: 1天理よろづ相談所病院眼科
ページ範囲:P.123 - P.131
文献購入ページに移動要約 目的:COVID-19感染流行による天理よろづ相談所病院(当院)での患者数,手術件数などへの影響を分析する。
方法:当院にて患者・手術など管理システムを使用し,2018年1月1日〜2022年12月31日のデータを用いて全科における外来患者数,眼科入院患者数,手術件数,手術術式ごとの動態を検討した。
結果:眼科は外来患者数の一貫した減少を認めており,同様の傾向をメジャー外科,産婦人科,皮膚科,形成外科で認めた。外来患者,入院患者,初診外来患者数は減少を認めた。硝子体手術は軽度減少傾向にあったが,網膜前膜の手術件数が比較的顕著な減少を認めた。緑内障手術件数に関しては横ばいないしはやや増加傾向があり,濾過手術は減少傾向,流出路再建術は増加を認めた。硝子体注射術に関しては増加傾向にあり,糖尿病黄斑浮腫,網膜静脈閉塞症の件数で顕著な増加を示した。
結論:COVID-19感染流行下では眼科外来患者数は減少し,メジャー外科でも同様の傾向を示した可能性がある。網膜前膜手術は感染流行下では待機的に選択される可能性がある。緑内障手術に関しては,流出路再建術が感染流行下では選択されやすい可能性がある。硝子体注射術は感染流行下であっても増加傾向にあったことから,今後もその傾向は続いてく可能性がある。
方法:当院にて患者・手術など管理システムを使用し,2018年1月1日〜2022年12月31日のデータを用いて全科における外来患者数,眼科入院患者数,手術件数,手術術式ごとの動態を検討した。
結果:眼科は外来患者数の一貫した減少を認めており,同様の傾向をメジャー外科,産婦人科,皮膚科,形成外科で認めた。外来患者,入院患者,初診外来患者数は減少を認めた。硝子体手術は軽度減少傾向にあったが,網膜前膜の手術件数が比較的顕著な減少を認めた。緑内障手術件数に関しては横ばいないしはやや増加傾向があり,濾過手術は減少傾向,流出路再建術は増加を認めた。硝子体注射術に関しては増加傾向にあり,糖尿病黄斑浮腫,網膜静脈閉塞症の件数で顕著な増加を示した。
結論:COVID-19感染流行下では眼科外来患者数は減少し,メジャー外科でも同様の傾向を示した可能性がある。網膜前膜手術は感染流行下では待機的に選択される可能性がある。緑内障手術に関しては,流出路再建術が感染流行下では選択されやすい可能性がある。硝子体注射術は感染流行下であっても増加傾向にあったことから,今後もその傾向は続いてく可能性がある。
参考文献
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