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特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[8] 原著
全身性濾胞性リンパ腫に関連した両側眼瞼結節性腫瘤
著者: 綾はるか1 佐々木香る1 石本敦子1 野田百合2 山本優一1 盛秀嗣1 髙橋寛二1
所属機関: 1関西医科大学眼科学講座 2関西医科大学病理学講座
ページ範囲:P.1265 - P.1271
文献購入ページに移動症例:70歳,女性。全身の難治性結節性痒疹で皮膚科にてx−4年よりシクロスポリンA(CyA)内服投与の既往をもつ。x年に両上下眼瞼縁全幅に結節性腫瘤がみられ関西医科大学附属病院(当院)眼科に紹介された。病変部生検で限局的なCD20(+)bcl-2(−)の反応性リンパ球増殖と診断され,いったん当院皮膚科でのCyA内服再開とともにタクロリムス点眼を開始するも改善しなかった。x+1年に左耳前部および前額部に皮下硬結と腫瘤を認め,それぞれの病理生検において組織診断および染色体検査でいずれも濾胞性リンパ腫(grade 2)と診断された。当院血液腫瘍内科でリツキシマブ単独治療開始後,両上下眼瞼部腫瘤は2か月で著明に改善した。
結論:本症例でみられた結節性眼瞼縁腫瘤は,濾胞性リンパ腫に関連した腫瘍であった可能性がある。濾胞性リンパ腫は通常,結膜円蓋部や球結膜に好発するが,眼瞼縁にも関連した病変が生じる可能性が示唆される。
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