文献詳細
増刊号 6年前の常識は現在の非常識!—AI時代へ向かう今日の眼科医へ
Ⅴ.結膜・角膜 Special Lecture
文献概要
再生医療製品とは何か
再生医療製品とは,日本再生医療学会による定義では,ヒトまたは動物の生きた細胞や組織を培養などの加工を施し作製されたもので,体の構造・機能の再建・修復・形成や疾病の治療・予防,遺伝子治療を目的として使用されるものである.金属などの材料でできた製品よりもヒトの体に馴染みやすいなどの理由から,医薬品や医療機器のように用いることができる.しかしながら,再生医療製品を医療に用いることを目的として世に出すためには,医薬品や医療機器と同じように,非臨床試験(動物実験など),臨床研究,治験,厚生労働省での審査,承認・販売といった順序で,製品の有効性と安全性について調べていく必要がある.
わが国において承認されている眼科領域の再生医療製品として,ネピック®〔ヒト(自己)角膜輪部由来角膜上皮細胞シート〕,オキュラル®〔ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート〕,サクラシー®〔ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート〕,ビズノバ®〔培養ヒト角膜内皮細胞〕の4品目が挙げられる.前3者は角膜上皮幹細胞疲弊症に対して適応されるものであり,ビズノバ®は水疱性角膜症が適応症である.このなかでもネピック®およびオキュラル®については,筆者らが開発を進めた製品であるので本稿で述べたい.
再生医療製品とは,日本再生医療学会による定義では,ヒトまたは動物の生きた細胞や組織を培養などの加工を施し作製されたもので,体の構造・機能の再建・修復・形成や疾病の治療・予防,遺伝子治療を目的として使用されるものである.金属などの材料でできた製品よりもヒトの体に馴染みやすいなどの理由から,医薬品や医療機器のように用いることができる.しかしながら,再生医療製品を医療に用いることを目的として世に出すためには,医薬品や医療機器と同じように,非臨床試験(動物実験など),臨床研究,治験,厚生労働省での審査,承認・販売といった順序で,製品の有効性と安全性について調べていく必要がある.
わが国において承認されている眼科領域の再生医療製品として,ネピック®〔ヒト(自己)角膜輪部由来角膜上皮細胞シート〕,オキュラル®〔ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート〕,サクラシー®〔ヒト羊膜基質使用ヒト(自己)口腔粘膜由来上皮細胞シート〕,ビズノバ®〔培養ヒト角膜内皮細胞〕の4品目が挙げられる.前3者は角膜上皮幹細胞疲弊症に対して適応されるものであり,ビズノバ®は水疱性角膜症が適応症である.このなかでもネピック®およびオキュラル®については,筆者らが開発を進めた製品であるので本稿で述べたい.
参考文献
1)Gain P, Jullienne R, He Z, et al:Global survey of corneal transplantation and eye banking. JAMA Ophthalmol 134:167-173, 2016
2)Rama P, Matuska S, Paganoni G, et al:Limbal stem-cell therapy and long-term corneal regeneration. N Engl J Med 363:147-155, 2010
3)Oie Y, Sugita S, Yokokura S, et al:Clinical trial of autologous cultivated limbal epithelial cell sheet transplantation for patients with limbal stem cell deficiency. Ophthalmology 130:608-614, 2023
4)Nishida K, Yamato M, Hayashida Y, et al:Corneal reconstruction with tissue-engineered cell sheets composed of autologous oral mucosal epithelium. N Engl J Med 351:1187-1196, 2004
5)Oie Y, Komoto S, Kawasaki R:Systematic review of clinical research on regenerative medicine for the cornea. Jpn J Ophthalmol 65:169-183, 2021
6)Hayashi R, Ishikawa Y, Sasamoto Y, et al:Co-ordinated ocular development from human iPS cells and recovery of corneal function. Nature 531:376-380, 2016
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