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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科78巻11号

2024年10月発行

増刊号 6年前の常識は現在の非常識!—AI時代へ向かう今日の眼科医へ

Ⅸ.外眼部・神経眼科・腫瘍など Special Lecture

マイボーム腺機能不全診療ガイドライン

著者: 天野史郎1

所属機関: 1お茶の水・井上眼科クリニック

ページ範囲:P.316 - P.318

文献概要

はじめに

 マイボーム腺は瞼板内にある皮脂腺であり,その分泌物(meibum)は涙液の最表層の油層を形成して涙液の安定性に貢献する.マイボーム腺機能不全(meibomian gland dysfunction:MGD)は,さまざまな原因によってマイボーム腺の機能がびまん性に異常をきたした状態であり,慢性の眼不快感を伴う.またMGDからドライアイが引き起こされ,ドライアイによる諸症状も伴う.MGDは50歳以上の日本人の30〜50%が罹患し,臨床的に重要な疾患である.しかし,MGDの診療に関してこれまで十分な啓発がなされておらず,MGD診断の鍵となるマイボーム腺開口部およびその周囲の観察はなおざりにされてきた感が否めない.2023年2月および6月にMGDの診療をサポートする「マイボーム腺機能不全診療ガイドライン」の日本語版1)および英語版2)が発表された.本稿ではそのエッセンスについて述べる.

参考文献

1)マイボーム腺機能不全診療ガイドライン作成委員会:マイボーム腺機能不全診療ガイドライン.日眼会誌127:109-228,2023
2)Committee for Meibomian Gland Dysfunction Clinical Practice Guidelines:Meibomian Gland Dysfunction Clinical Practice Guidelines. Jpn J Ophthalmol 67:448-539, 2023
3)Arita R, Mizoguchi T, Kawashima M, et al:Meibomian gland dysfunction and dry eye are similar but different based on a population-based study:the Hirado-Takushima study in Japan. Am J Ophthalmol 207:410-418, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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