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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科78巻12号

2024年11月発行

雑誌目次

特集 ザ・脈絡膜。

企画にあたって フリーアクセス

著者: 坂本泰二

ページ範囲:P.1331 - P.1331

 科学の歴史は,技術革新の歴史です。新しい技術が登場すると,従来の技術が陳腐化するだけでなく,その分野の概念が変わり急速に進歩します。その繰り返しが現在の科学です。

 私が研究に従事した過去30数年間においても,多くの革命的変化を目撃しました。そのうち最も大きなものはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の発明であり,それまでコールドルームでの蛋白の生成が主であった生命科学実験が,あっという間に普通の研究室で実験される分子生物学に取って代わられ,強烈かつ広範なインパクトを科学界に及ぼしました。現在その影響は,科学界のみならず政治や哲学にまで及んでいます。

OCTでみる脈絡膜の正常構造

著者: 森雄貴

ページ範囲:P.1332 - P.1336

●光干渉断層計(OCT)技術の進歩により,脈絡膜の評価は非侵襲的かつ簡便となった。

●OCTで脈絡膜を評価するには,深部強調画像(EDI)モードや波長掃引型OCT(SS-OCT)が有用である。

●OCTやOCT血管撮影(OCTA)を用いた脈絡膜血管の評価法が多数考案されている。

パキコロイドと脈絡膜(形態)

著者: 橋谷臨 ,   丸子一朗

ページ範囲:P.1338 - P.1344

●脈絡膜の観察がOCTの進歩により可能になり,パキコロイド疾患に関心が高まっている。

●パキコロイド疾患では主にHaller層の血管拡張が起こり,同時に脈絡膜毛細血管板とSattler層の菲薄化が生じる。

●脈絡膜の観察においては,脈絡膜の厚みをみるだけではなく,脈絡膜の内部構造評価,en face OCTによる脈絡膜中大血管の拡張や上下非対称なども評価の対象となる。

●日本人にはパキコロイドが関連しているとされているポリープ状脈絡膜血管症やpachychoroid neovasculopathyが比較的多いとされており,さらなる病態理解が進むことが期待される。

パキコロイドと脈絡膜(循環)

著者: 齋藤理幸

ページ範囲:P.1345 - P.1350

●パキコロイドの病態と脈絡膜循環は密接にかかわっている。

●脈絡膜血流の1st hit〔うっ滞〕と2nd hit〔血流調節障害(過還流)〕によって漿液性網膜剝離が生じる。

脈絡膜と強膜

著者: 今永直也

ページ範囲:P.1351 - P.1358

●強膜は眼球を保護するだけでなく,眼球運動や眼圧変動に対応し,眼球の構造や光学的安定性を維持している。

●中心性漿液性脈絡網膜症の患者は厚い強膜を有しており,厚い強膜の脈絡膜循環障害への影響が示唆されている。

●脈絡膜と強膜の相互作用は,近視や緑内障などの疾患において重要な役割を果たしている可能性がある。

脈絡膜と緑内障

著者: 清田直樹 ,   高橋直樹 ,   中澤徹

ページ範囲:P.1359 - P.1365

●脈絡膜厚は変動しやすく,緑内障病態との関連については一貫したエビデンスがない。

●脈絡膜の菲薄化と傍乳頭網脈絡膜萎縮を伴う眼は,中心視野障害の進行に注意が必要である。

●脈絡膜は自己調節能に乏しく,眼圧上昇は脈絡膜の菲薄化や血流低下につながりうる。

●理想的には脈絡膜血流を測定し,緑内障病態との関連についてより調査を行う必要がある。

脈絡膜とゲノム

著者: 三宅正裕

ページ範囲:P.1366 - P.1368

●ゲノム解析技術の進化により,特定の疾患に関連する遺伝的要因が次々と明らかにされており,眼科分野においても,さまざまな疾患の病態解明に寄与している。

●例えば,脈絡膜の厚さや性質にかかわる遺伝子が同定され,その遺伝子異常が特定の眼疾患の発症リスクを高めることが示されている。

●今後,ゲノム解析がますます進み,脈絡膜厚に関連する遺伝子がより多く同定されることで,さらなる病態解明につながる可能性がある。

脈絡膜と近視

著者: 髙橋知成

ページ範囲:P.1369 - P.1372

●近視は世界的な公衆衛生上の問題となっている。

●近視の病態には脈絡膜が大きく関係することがわかっている。

●近視を理解するうえで,今後ますます脈絡膜についての理解が重要となってくる。

脈絡膜と屈折異常・弱視

著者: 西智 ,   緒方奈保子

ページ範囲:P.1373 - P.1379

●脈絡膜は調節に連動して脈絡膜厚を変化させることで,網膜を焦点面に対して前後させる。

●弱視眼では,不同視弱視眼,斜視弱視眼ともに,健常眼と比較して中心窩下脈絡膜が厚い。

●弱視眼では,脈絡膜管腔面積が大きく,脈絡膜間質面積が少ない。

●弱視治療により脈絡膜構造は変化する。

脈絡膜と中心性漿液性脈絡網膜症

著者: 船津諒

ページ範囲:P.1380 - P.1385

●脈絡膜循環のうっ滞は中心性漿液性脈絡網膜症の原因の1つと考えられている。

●中心性漿液性脈絡網膜症における脈絡膜の形態異常は渦静脈近傍まで及ぶ。

●脈絡膜の肥厚・管腔拡大・血管透過性亢進は,中心性漿液性脈絡網膜症の診療に重要な所見である。

上脈絡膜バックリング

著者: 小嶋健太郎

ページ範囲:P.1386 - P.1392

●上脈絡膜バックリングは裂孔原性網膜剝離に対する低侵襲手術法,特に強膜バックリングと互換性のある術式である。

●上脈絡膜バックリングでは,上脈絡膜腔にヒアルロン酸を注入することで脈絡膜を内陥させ,裂孔を閉鎖する。

●上脈絡膜バックリングは近年臨床成績が相次いで報告されており,今後術式として確立することが期待される。

今月の話題

プロスタノイドFP受容体作動薬で影響を受ける線維柱帯切除術の術後成績

著者: 原野晃子

ページ範囲:P.1323 - P.1329

 プロスタグランジン関連眼窩周囲症(PAP)は,プロスタノイドFP受容体作動薬によって引き起こされる,眼局所の副作用である。近年,PAPは線維柱帯切除術の術後成績に悪影響を及ぼす可能性があることが明らかになってきた。本稿では,PAPの機序やPAPが与える手術への影響などを解説していく。

連載 Clinical Challenge・56

開放隅角緑内障の治療を受けていた症例

著者: 辻隆宏

ページ範囲:P.1316 - P.1322

症例

患者:67歳,女性

主訴:両眼の視力低下

既往歴:高脂血症,高血圧。63歳時,左眼の網膜前膜と皮質白内障に対して水晶体再建併用の硝子体手術を受けた。65歳時,右眼の水晶体再建手術を受けた。

点眼薬:Rhoキナーゼ(ROCK)阻害薬,α2刺激薬を点眼してアレルギー反応が生じ,βブロッカーを点眼して徐脈を起こした。

現病歴:開放隅角緑内障と診断され,両眼にプロスタグランジン製剤と炭酸脱水酵素阻害薬を点眼し,眼圧は10mmHg台後半から20mmHg台前半と不安定であった。前医が退職したため,筆者が治療を引き継ぐことになった。最近,視力低下の進行の自覚があった。

臨床報告

福島県内で感染したと推定される東洋眼虫症の1例

著者: 冨田隆太郎 ,   長谷川英男 ,   長安英治 ,   小島彰

ページ範囲:P.1393 - P.1398

要約 目的:福島県内で感染したと推定される東洋眼虫症の1例を経験し,光学顕微鏡による形態観察および遺伝子解析を行い同定したので報告する。

症例:福島県北部在住の52歳,男性が左眼異物感を主訴に受診した。哺乳類のペット飼育はなく,過去1年間に県外への移動はなかった。

所見:左眼結膜囊内に白色線状の虫体を1隻認め摘出した。光学顕微鏡による形態観察を行い,東洋眼虫の雌成虫と同定した。また虫体のミトコンドリアDNAのCOX1遺伝子を解析した結果,既報の熊本県と大分県の症例,および関東地方の犬や野生肉食獣から検出されたハプロタイプ10と一致した。

結論:福島県で初となる東洋眼虫症の1例を経験した。東洋眼虫症の分布は東北地方へ拡大傾向にあり,今後症例の続発が予想される。

外傷性毛様体解離に伴う低眼圧黄斑症に対して毛様体扁平部冷凍凝固およびガス・タンポナーデで治療した1例

著者: 野月徳実 ,   鈴木幸彦 ,   小堀宏理 ,   古川智美 ,   丹藤利夫 ,   上野真治 ,   片岡英樹 ,   山上美情子

ページ範囲:P.1399 - P.1405

要約 目的:外傷に伴う毛様体解離による低眼圧黄斑症に対して,毛様体扁平部冷凍凝固およびガス・タンポナーデを併用した硝子体手術で治療できた症例を報告する。

症例:58歳,女性。鈍的眼外傷により左眼の外傷性白内障を生じ,先に白内障手術を受けた。左眼圧は4〜6mmHgで経過し,黄斑皺襞があり,生体超音波顕微鏡検査(UBM)で全周に上脈絡膜腔の空隙がみられたため,低眼圧黄斑症と診断された。すでに外傷から18か月が経過していた。硝子体手術を行い,毛様体扁平部冷凍凝固とガス・タンポナーデを併用した結果,その後眼圧は安定し,低眼圧黄斑症の所見は消失した。

考按:毛様体扁平部冷凍凝固およびガス・タンポナーデ併用の硝子体手術は,外傷性低眼圧黄斑症の治療選択肢に入れてよい手術法であると考えられる。また,受傷後1年以上経過していた本症例のような場合でも,眼圧の正常化と視力の保持が可能となると考えられた。

Vogt-小柳-原田病の初発時に対するステロイド単独療法とステロイド・シクロスポリン併用療法との比較検討

著者: 笠間丈道 ,   北村力 ,   菅岡晋平 ,   村田敏彦 ,   神田浩司 ,   高山圭 ,   佐藤智人 ,   播本幸三 ,   竹内大

ページ範囲:P.1406 - P.1411

要約 目的:Vogt-小柳-原田病(以下,原田病)では,メラノサイト抗原特異的T細胞が主に病態を形成すると想定されており,シクロスポリンによる同T細胞の活性化抑制が期待される。早期からの免疫抑制薬の併用が視力予後に有効であるとの報告があるが,ステロイドパルス療法直後からシクロスポリンを併用した場合における,① 早期の治療効果,② 寛解期の再発について十分に検討されていないため,今回の後ろ向き研究を実施した。

対象と方法:2014年10月以降に当院眼科を受診し,未治療の原田病と診断された患者25名において,ステロイド単独群11名(男性8名,女性3名:46.7±11.1歳),シクロスポリン併用群14名(男性5名,女性9名:46.8±11.9歳)に分類し,2年間の治療効果を比較検討した。

結果:併用群の治療開始1か月後のlogMAR視力改善値は,単独群よりも0.24良好であった。中心窩下脈絡膜厚の変化量は,治療開始前と比較しておおむね50〜200μm程度の範囲であり,観察期間のすべてにおいて有意な差はなかった。また再発率に差はなかったが,単独群は男性のみ,併用群は女性のみ再発し,再発時の中心窩下脈絡膜厚は単独群では増加する一方,併用群では必ずしも増加しなかった。

結論:シクロスポリンの効能に性差がある可能性,そして2群間の再発時の所見の特徴は異なる可能性がある。

カボザンチニブの内服加療で所見の改善を認めたポリープ状脈絡膜血管腫症の1例

著者: 榮木大輔

ページ範囲:P.1412 - P.1418

要約 目的:血管内皮増殖因子(VEGF)受容体阻害作用のあるカボザンチニブの経口投与で,著明な病態改善を得られたポリープ状脈絡膜血管腫症(PCV)の症例を経験したので報告する。

症例:患者は69歳,男性。近医眼科より左眼の滲出性変化を伴う黄斑変性を指摘され,精査加療目的に当科を紹介された。

所見:検査にて左眼のPCVと診断した。ただ,他の全身疾患の加療の必要があり,いったんは経過観察となった。初診から7か月後の再診で所見の増悪を認めたため,アフリベルセプトで治療を開始した。1回目の投与後,圧迫骨折で他院に入院となり,眼科治療は中断となった。1回目の投与から8か月経過した時点で眼科を再診し,所見の増悪を認めたが,腎細胞がんの加療のため,またも眼科治療は保留となった。直後からカボザンチニブ内服による腎細胞がんの治療が開始された。治療開始1か月後の再診で,PCVに伴う滲出性変化の著明な改善を認めた。その後,ベストサポーティブケアのため他院へ転院となり,眼科も併せてフォロー中止となった。

結論:VEGF受容体阻害作用のあるカボザンチニブは,経口投与でPCVの病変を退縮させる効果が期待できる。

ブリモニジン点眼薬からブリモニジン/ブリンゾラミド配合点眼薬あるいはブリモニジン/リパスジル配合点眼薬への変更

著者: 井上賢治 ,   國松志保 ,   富田剛司 ,   石田恭子

ページ範囲:P.1419 - P.1425

要約 目的:ブリモニジン点眼薬(BRM)からブリモニジン/ブリンゾラミド配合点眼薬(BBFC)あるいはブリモニジン/リパスジル配合点眼薬(BRFC)への変更による効果と安全性を後ろ向きに検討する。

対象および方法:BRMからBBFCあるいはBRFCへwashout期間なしで変更した原発開放隅角緑内障59例59眼を対象とした。変更前と変更3,6か月後の眼圧を比較し,副作用と中止例を調査した。

結果:眼圧は,BBFC群(32例)は変更前16.2±3.5mmHgより変更3か月後15.2±3.5mmHg,6か月後14.6±3.2mmHgで有意に下降した(p<0.01)。BRFC群(27例)は変更前15.8±2.5mmHgより変更3か月後14.9±2.1mmHg,6か月後13.5±2.5mmHgで有意に下降した(p<0.01)。両群間で眼圧下降幅,眼圧下降率に統計学的有意差はなかった。副作用は,BBFC群において5例(15.6%)に出現し,霧視,眼刺激,光視症,結膜炎,結膜充血+眼瞼炎が各1例,BRFC群において3例(11.1%)に出現し,眼瞼炎2例,羞明1例であった。中止例はBBFC群が7例(21.9%)で,副作用出現5例,眼圧上昇2例であった。BRFC群が4例(14.8%)で,副作用出現2例,眼圧上昇1例,手術施行1例であった。両群間で副作用や中止例の出現頻度は同等であった。

結論:BRMからBBFCあるいはBRFCへ変更した症例の眼圧下降効果と安全性は同等で,良好であった。

黄斑分割する同名半盲をきたした半側空間無視の2例

著者: 松浦一貴 ,   寺坂祐樹 ,   今岡慎弥

ページ範囲:P.1427 - P.1433

要約 目的:筆者らが以前に報告した右皮殻出血後の半側空間無視に伴う左同名半盲の2例では,正中より左側にも不安定な反応があった。このたび,前回の症例とは異なり,黄斑分割する同名半盲をきたした半側空間無視の2例を経験した。

症例:症例1は37歳,男性(右頭頂葉皮質下出血)。症例2は65歳,女性(右頭頂葉皮質下出血)。線分二等分試験,時計描写試験において半側空間無視のパターンを呈し,黄斑分割する左同名半盲を認めた。発症2か月後には半側空間無視は回復し,同名半盲も改善した。

考察:半側空間無視は右脳病変により左に発症する。右視野と左視野の相応する部位に同時に視覚刺激を与えた際に,一側を検出できない“視覚消去現象”がみられるが,正中をはさまない2つの指標に対しても,相対的に左側の指標が意識されにくい。左側の視野検査のときは中心を固視しつつ,より左方の指標を検索するが,相対的に左方の指標は感知されにくいため,左同名半盲様となる。半側空間無視には,正中に関係なく左側を無視する対象依存性と,正中より左側のみを無視する主体性の2パターンがある。以前の症例は,正中より左方の指標にも不安定な反応があり,対象依存性である。今回の症例は,正中より左方では全く反応がなく,主体性と思われる。

結論:半側空間無視に伴う,異なる2つのパターンの同名半盲を経験した。右脳病変後に,黄斑分割する左同名半盲,または左右の同一性が低い左同名半盲を認めたときは,半側空間無視の関与が疑われる。

Book Review

臨床経過で診る ぶどう膜炎・網膜炎・強膜炎アトラス フリーアクセス

著者: 丸山耕一

ページ範囲:P.1435 - P.1435

 本書のページをゆっくりとめくり,サルコイドーシスやVogt-小柳-原田病,そしてベーチェット病という,いわゆる三大ぶどう膜炎をはじめ,急性網膜壊死やサイトメガロウイルス網膜炎などの特徴ある眼底写真を見るにつけ,「Reality」と「Honesty」という言葉が思い浮かぶ。「Reality」は,眼底のリアルを伝える術を知るフォトグラファーの腕から生み出され,医師との共有に至るもの。「Honesty」は,撮影時期の違いでその姿かたちは変化するものの,加工などは一切せず,そのままの姿をクオリティ高くストレートに切り取るものである。もちろん,患者との共有に至るものもある。この「Reality」と「Honesty」を両立させ,しかも臨床経過を追いやすいように適切なタイミングで撮影を行い記録として残す。疾患によってはモンタージュ方式で記録している。ぶどう膜炎では,視神経乳頭と網膜周辺部の変化をとらえてなんぼなのだ。眼下の者が尊敬する著者に向かって放つ言葉ではないが,これぞ「Perfect」である。

 ここまで本書の眼底写真を「Perfect」と言ってきた。どこをどう切りとってもそれは間違いない。ただ,舌の根の乾かぬうちにではあるが,深層のところはカメラのレンズを通過してではなく,自分自身の水晶体を通して見えた像こそがRealityであると,ぶどう膜炎診療を業としている方々の中にはそう思う人もいるはずだ。

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目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.1312 - P.1313

欧文目次 フリーアクセス

ページ範囲:P.1314 - P.1314

アンケート用紙

ページ範囲:P.1444 - P.1444

次号予告 フリーアクセス

ページ範囲:P.1445 - P.1445

あとがき フリーアクセス

著者: 堀裕一

ページ範囲:P.1446 - P.1446

 臨床眼科2024年11月号(78巻12号)をお届けいたします。今回の特集は,坂本泰二先生ご企画の「ザ・脈絡膜。」です。近年,OCT技術の進歩により脈絡膜の構造が詳細にわかるようになり,その評価も短時間で非侵襲的に行えるようになりましたし,OCTAによる脈絡膜血管の評価も注目されています。本号の特集では,脈絡膜の形態や循環についての詳細な解説はもちろんのこと,強膜や近視,緑内障,中心性漿液性脈絡網膜症,屈折異常・弱視との関連や,ゲノム,裂孔原性網膜剝離に対する低侵襲治療法の上脈絡膜バックリングについての解説など多岐にわたって,それぞれのエキスパートの先生方にご執筆いただきました。皆さん,この機会に脈絡膜についてしっかりと勉強しましょう。

 今月の話題は,プラスタノイドFP受容体作動薬で影響を受ける線維柱帯切除術の術後成績,Clinical Challengeでは,開放隅角緑内障の治療を受けていた症例と,緑内障に関連した内容となっております。

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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