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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科78巻3号

2024年03月発行

文献概要

臨床報告

両視神経周囲炎の治療経過中に致死性の髄膜炎を生じた1例

著者: 石濱慈子1 春名優甫1 二瓶亜樹1 本田聡1 壷井秀企1 上野洋祐1 本田茂1

所属機関: 1大阪公立大学大学院医学研究科視覚病態学

ページ範囲:P.298 - P.302

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要約 目的:両視神経周囲炎に対するステロイドパルス療法中に致死性の髄膜炎を生じた1例の報告。

症例:74歳,男性。既往に急性骨髄性白血病および急性心筋梗塞があった。1か月前からの急激な両眼視力低下を認め,当科を紹介され受診した。

結果:両眼特発性視神経炎と診断し,ステロイドパルス療法施行後に再発を認め,合計4コース施行した。再発時,上記既往以外にB型肝炎既感染および潜在性肺結核症があることが判明していた。ステロイドパルス療法4コース目終了から算定して第4病日より全身状態が急変した。結核性髄膜炎または細菌性髄膜炎を疑い,抗菌薬治療を開始するも第6病日に死亡した。

結論:ステロイドパルス療法はきわめて有用な治療法であるが,施行回数が増すほど致死的なものを含む合併症の危険性が高まるため,適応を慎重に判断し,施行する際は早急に他科と連携できるような準備を整えるべきである。

参考文献

1)Saag KG, Wagman RB, Geusens P et al:Denosumab versus risedronate in glucocorticoid-induced osteoporosis:a multicentre, randomised, double-blind, active-controlled, double-dummy, non-inferiority study. Lancet Diabetes Endocrinol 6:445-454, 2018
2)Sisti E, Coco B, Menconi F et al:Age and dose are major risk factors for liver damage associated with intravenous glucocorticoid pulse therapy for Graves' orbitopathy. Thyroid 25:846-850, 2015
3)Bartalena L, Krassas GE, Wiersinga W et al;European Group on Graves' Orbitopathy:Efficacy and safety of three different cumulative doses of intravenous methylprednisolone for moderate to severe and active Graves' orbitopathy. J Clin Endocrinol Metab 97:4454-4463, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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