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臨床報告
両視神経周囲炎の治療経過中に致死性の髄膜炎を生じた1例
著者: 石濱慈子1 春名優甫1 二瓶亜樹1 本田聡1 壷井秀企1 上野洋祐1 本田茂1
所属機関: 1大阪公立大学大学院医学研究科視覚病態学
ページ範囲:P.298 - P.302
文献購入ページに移動症例:74歳,男性。既往に急性骨髄性白血病および急性心筋梗塞があった。1か月前からの急激な両眼視力低下を認め,当科を紹介され受診した。
結果:両眼特発性視神経炎と診断し,ステロイドパルス療法施行後に再発を認め,合計4コース施行した。再発時,上記既往以外にB型肝炎既感染および潜在性肺結核症があることが判明していた。ステロイドパルス療法4コース目終了から算定して第4病日より全身状態が急変した。結核性髄膜炎または細菌性髄膜炎を疑い,抗菌薬治療を開始するも第6病日に死亡した。
結論:ステロイドパルス療法はきわめて有用な治療法であるが,施行回数が増すほど致死的なものを含む合併症の危険性が高まるため,適応を慎重に判断し,施行する際は早急に他科と連携できるような準備を整えるべきである。
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