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臨床報告
COVID-19ワクチン接種後に急性びまん性点状表層角膜炎を呈した1例
著者: 城戸龍樹1 河内さゆり1 大熊真一1 菊地正晃1 吉岡恵理子1 山西茂喜2 山口昌彦1
所属機関: 1愛媛県立中央病院眼科 2やまにし眼科
ページ範囲:P.303 - P.308
文献購入ページに移動症例:24歳,女性。2週間使い捨てソフトコンタクトレンズ常用者で,コロナワクチン1回目接種7時間後より両眼の視力低下・眼痛を自覚,翌々日の近医受診時に視力は右(0.7p),左(0.4p)と低下を認め,びまん性点状表層角膜症としてヒアルロン酸ナトリウム0.1%,ジクアホソルナトリウム点眼を開始するも改善せず,発症6日目に当院を紹介され受診となった。当院初診時の視力は右(1.0p),左(0.4),両眼にびまん性点状表層角膜炎と角膜浮腫を認め,前眼部OCTにて中心角膜厚は右549μm,左584μmと肥厚しており,また角膜形状異常による不整乱視を認めた。非感染性の角膜炎と診断し,フルオロメトロン0.1%点眼に変更した。治療開始から1か月後には点状表層角膜炎は消失し,視力は両眼ともに(1.2)まで改善,中心角膜厚の肥厚,角膜形状異常も改善した。
結論:ワクチン接種との時間的因果関係から,コロナワクチン接種を契機に急性角膜炎を発症したと考えられた。ステロイド点眼にて改善し,コロナワクチン投与による眼局所での免疫応答が発症に関与している可能性が考えられた。
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