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特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[1] 原著
急性骨髄性白血病の髄外腫瘤により眼窩先端症候群を呈した1例
著者: 渡邊愛子1 園部智章1 本田茂2
所属機関: 1市立岸和田市民病院眼科 2大阪公立大学大学院医学研究科視覚病態学
ページ範囲:P.361 - P.365
文献購入ページに移動症例:70代,女性。既往にAML(FAB分類M0),関節リウマチがある。右視力低下,右眼痛,右眼外転障害を認めたため,当科紹介となった。頭部MRIにて明らかな異常所見は指摘されなかった。経過中に右眼視力増悪,右中心フリッカー値低下,右眼瞼下垂,右眼全方向の眼球運動障害が出現したため,診断目的にFDG-PET/CTを施行。右眼窩先端部に集積亢進を認め,AMLの髄外腫瘤による眼窩先端症候群と考えられた。全身状態を鑑み,ステロイドハーフパルス療法を試行したところ,視力や中心フリッカー値,右眼痛の症状は改善した。その後2か月間は症状の再燃を認めず経過したため,当科終診となった。
結論:髄外腫瘤が原因の眼窩先端症候群でも,感染などのリスクが除外されればステロイドパルス療法が有効な場合がある。AMLが既往にある場合には鑑別として考慮する必要がある。
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