文献詳細
特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[1]
原著
白内障手術によるアイフレイル自己チェックの改善効果
著者: 井上賢治1 砂川広海1 徳田芳浩1 塩川美菜子1 天野史郎1
所属機関: 1井上眼科病院
ページ範囲:P.380 - P.385
文献概要
方法:1か月以内に両眼白内障手術を施行した症例を対象とした。症例は48例,平均年齢は74.4±6.9歳であった。手術前と手術3か月後に10項目のアイフレイル自己チェックを施行し,手術前後の結果を比較した。チェック数2個以上がアイフレイルの可能性があると定義されている。
結果:チェック数は術前4.1±2.0個に比べて,術後1.2±1.5個に有意に減少した(p<0.0001)。術前にチェックが多かった項目は,⑥まぶしく感じやすい38例,⑤眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった36例,③新聞や本を長時間見ることが少なくなった30例であった。10項目中9項目で術後にチェック数は有意に減少した(p<0.05)。術後にチェック数が減少した項目は,⑤眼鏡をかけてもよく見えないと感じることが多くなった29例,⑥まぶしく感じやすい24例などであった。チェック数が2個以上の症例は,術前42例が術後14例に有意に減少した(p<0.0001)。
結論:白内障手術によりアイフレイル状況は改善した。白内障手術は患者のquality of life改善に寄与している。
参考文献
掲載誌情報