文献詳細
特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[2]
原著
米沢市立病院で治療を行った視神経炎17症例の検討
著者: 髙宮美智子1 佐久間大輔1 山口万里奈2 國方彦志2 中澤徹2
所属機関: 1米沢市立病院眼科 2東北大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.447 - P.451
文献概要
対象と方法:2012〜2021年の9年間に経験した視神経炎,17例20眼について診療録をもとに検討した。
結果:年齢は14〜77歳(平均年齢53.1歳)。性別は男性9例,女性8例。原疾患不明が8例(8眼),原疾患のあるものは,抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖蛋白質抗体陽性1例(1眼),抗アクアポリン4抗体陽性2例(3眼),多発血管炎性肉芽腫症1例(1眼),妊娠高血圧症1例(1眼),IgG4症候群に合併したもの1例(1眼),糖尿病1例(2眼),慢性炎症性脱髄性多発神経炎1例(1眼),Vogt・小柳・原田病1例(2眼)であった。発症から治療開始までの期間は1〜60日で平均10.4日,治療はステロイドパルス療法を1〜3クール行った。慢性炎症性多発性脱髄性多発神経炎の患者は,ステロイドで効果がみられず,免疫グロブリン療法を行った。視力が改善したものは,15例(18眼),不変が2例(2眼)であった。
結論:視神経炎に対しステロイドパルス療法は有効であるが,症例によっては免疫グロブリン療法が必要な患者であると思われた。
参考文献
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