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特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[2] 原著
Functional Vision Score中心暗点ルールの調整におけるAmerican Medical Associationクラスへの影響
著者: 鶴岡三惠子1 平塚義宗2 井上賢治1
所属機関: 1井上眼科病院 2順天堂大学眼科学教室
ページ範囲:P.452 - P.457
文献購入ページに移動対象と方法:2019年1月から4年間に井上眼科病院で視覚の身体障害者手帳申請を希望した137症例を対象とした。診療録より性別,年齢,原因疾患,および視野を後ろ向きに調査した。中心暗点ルールの適応は,ゴールドマン視野で中心10度以内にⅢ/4eイソプターで視野障害を認める症例とした。FVSの中心暗点ルールの有無によるAMAクラス判定の違い,原因疾患による影響について多変量解析を用いて検討した。
結果:ゴールドマン視野で中心10度以内にⅢ/4eイソプターで視野障害を認める症例は109例(79.6%)であった。性別は男性56例,平均年齢は64歳であった。原因疾患は,緑内障54例,視神経疾患21例,黄斑疾患15例,網膜色素変性13例,その他6例であった。中心暗点ルールによるFVSの差は0〜25点であった。中心暗点ルールの適応により約30%の症例がAMA classで約1段階軽度に補正された。中心暗点ルールの適応によるAMA class補正の有無と,年齢,性別,原因疾患との間には有意な関連はなかった。
結論:FVSでは中心暗点ルールの適応により約30%の症例でAMAクラス分類を約1段階軽度に調整していた。AMA class補正の有無と,年齢,性別,原因疾患に有意な関連はなかった。
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