文献詳細
特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[2]
原著
導入10年目のロービジョン検査判断料に関する眼科医の意識
著者: 清水朋美1 堀寛爾1 鶴岡三惠子2 仲泊聡3 川瀬和秀4 石子智士5 安藤伸朗6
所属機関: 1国立障害者リハビリテーションセンター病院第二診療部 2井上眼科病院 3神戸市立神戸アイセンター病院 4安間眼科 5森山病院眼科 6長岡眼科
ページ範囲:P.511 - P.518
文献概要
対象と方法:視覚障害者用補装具適合判定医師研修会を受講修了した眼科医有志のメーリングリスト(822名)加入者に対して,Googleフォームを用いた無記名形式アンケートを実施した。
結果:計138名の回答を得た(回答率16.8%)。94.9%は常勤で勤務をしており,眼科クリニックでの勤務が41.3%,20〜30年未満の眼科経験年数が42.0%でそれぞれ最多であった。ロービジョンケア(以下,LVC)に対するイメージは,「時間がかかる」が80.4%で最多であり,自身でLVCを行っているかについては,「ロー検の診療報酬化以前から行っている」が34.8%,「ロー検の診療報酬化をきっかけに行うようになった」が32.6%であった。94.9%は「ロー検ができてよかった」と考え,ロー検がLVCへの関心を高めるきっかけになったか否かという質問に対しては81.2%が「なった」と回答した。ロー検ができてよかったことについては「LVC実施のための経済的保証ができた」が73.9%と最多であり,運用上困ることについては「自分の知識に不安がある」が50.0%で最多であった。意見では,施設基準,コストの低さ,自身の知識への不安などに関する内容が多かった。
結論:ロー検については肯定的な意見が多く,LVCを始めるきっかけにもなっていた。今後,LVCに関する学習環境の整備,継続的な課題整理が必要であると考えられた。
参考文献
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