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文献概要
特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[3] 原著
3D heads-up surgeryによる眼瞼下垂手術の経験
著者: 鄭暁東1 五藤智子1
所属機関: 1はなみずき眼科
ページ範囲:P.569 - P.576
文献購入ページに移動対象と方法:退行性眼瞼下垂20例ずつをHUS群とMS群に分け,同一術者による挙筋短縮術を施行,HUS群はNGENUITY®3Dビジュアルシステムを使用した。両群間に手術時間(総時間T1,皮膚切開T2,挙筋前転T3および皮膚縫合T4),術中体験として痛みと眩しさについて自覚スコア(VAS)と術後成績の眼瞼浮腫および1か月のMRD1改善量について比較検討した。また,HUS群においては,デジタルカラーフィルター使用の有無によって,前期10例(filter offモード)と後期10例(green filterモード)に分け,群内比較検討を行った。
結果:HUS群のT1,T2,T3およびT4は,それぞれ21.5±4.2分,6.7±3.9分,3.61±2.62分および9.4±5.7分で,MS群のそれぞれは13.8±2.6分,3.2±0.88分,3.15±1.7分および5.35±2.61分で,HUS群のT1,T2およびT4はMS群より有意に長かった(p=0.014,p=0.002およびp=0.01,スチューデントのt検定)。HUS群の後期症例のT1およびT2はそれぞれ16.1±3.2分,4.1±2.2分で,前期より有意に短縮した(p=0.016,p=0.007)。HUS群とMS群の術中の痛み,眩しさのスコアと術後の眼瞼浮腫およびMRD1の改善量には有意差はなかった。
結論:HUSによる眼瞼下垂手術時間はMSより長いものの,安全で可能であった。Green filterモードを使用することで,術中出血時に視認性が向上し手術時間の短縮につながる可能性が示唆された。
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