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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科78巻7号

2024年07月発行

文献概要

今月の表紙

増殖硝子体網膜症

著者: 山﨑伸吾1 鈴木康之2

所属機関: 1竹内眼科クリニック 2東海大学

ページ範囲:P.794 - P.794

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 症例は14歳,男性。右眼網膜剝離で竹内眼科クリニックを紹介され受診した。5か月ほど前は眼鏡店で矯正が可能であったそうである。初診時の右視力は(0.15)で,眼底はほぼ全剝離の状態であり,下耳側8時方向の変性巣内に小さな円孔があり,それが原因裂孔であった。視神経乳頭近傍の網膜下輪状索状物,それに連なる放射状の索状物の強い収縮により,網膜には段差が生じていた。増殖硝子体網膜症Grade CP網膜下タイプであった。若年者でまだ硝子体の液化が少なく,裂孔も小さいため,網膜剝離の進行は緩やかで,そのため網膜下での強い増殖性変化が形成・進行したと考えられる。増殖硝子体網膜症は網膜剝離患者の5〜10%に発症するといわれ,その原因となる因子はいくつか存在し,網膜色素上皮細胞,線維芽細胞,グリア細胞,マクロファージと,炎症関連性サイトカインが挙げられる。

 撮影機器にはZEISS社製CLARUS 700を使用し,後極を中心にモンタージュ画像を作成した。8時方向の小さな円孔と網膜下索状物による強い収縮を中央に配置した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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