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特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[5] 原著
抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の視力の経過
著者: 山添早織1 中馬秀樹1 池田康博1
所属機関: 1宮崎大学医学部感覚運動医学講座眼科学分野
ページ範囲:P.823 - P.827
文献購入ページに移動方法:2010年2月〜2023年4月に当院で経験したAQP4-ON 17例17眼を対象に,診療録を用いた後ろ向き調査を行った。検討項目は,発症から近医初診までの日数と近医初診時視力,発症から当院初診までの日数と当院初診時視力,近医初診時視力の分布と当院初診時視力の分布,および治療前視力(当院初診時視力と同じ)と治療後最高視力との相関である。
結果:近医へは,発症から平均2.24±1.64日,当院へは平均7.70±5.09日で初診していた。視力の平均は,近医初診時のほうが当院初診時より有意に良好であった。視力の分布は,近医初診時のほうが視力低下が比較的軽度の割合が多かった。治療後視力は,治療前視力より有意に良好であった。また,治療前視力と治療後視力の間には有意な相関があり,治療前視力が良好であるほど治療後視力も良好であった。
結論:視力低下が軽度である発症早期に治療を開始できれば,より良好な視力予後が得られる可能性がある。
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