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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科78巻7号

2024年07月発行

文献概要

特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[5] 原著

抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎の視力の経過

著者: 山添早織1 中馬秀樹1 池田康博1

所属機関: 1宮崎大学医学部感覚運動医学講座眼科学分野

ページ範囲:P.823 - P.827

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要約 目的:抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎(AQP4-ON)の診療過程における視力の経過を評価することで,視力予後の改善のためのヒントを得ること。

方法:2010年2月〜2023年4月に当院で経験したAQP4-ON 17例17眼を対象に,診療録を用いた後ろ向き調査を行った。検討項目は,発症から近医初診までの日数と近医初診時視力,発症から当院初診までの日数と当院初診時視力,近医初診時視力の分布と当院初診時視力の分布,および治療前視力(当院初診時視力と同じ)と治療後最高視力との相関である。

結果:近医へは,発症から平均2.24±1.64日,当院へは平均7.70±5.09日で初診していた。視力の平均は,近医初診時のほうが当院初診時より有意に良好であった。視力の分布は,近医初診時のほうが視力低下が比較的軽度の割合が多かった。治療後視力は,治療前視力より有意に良好であった。また,治療前視力と治療後視力の間には有意な相関があり,治療前視力が良好であるほど治療後視力も良好であった。

結論:視力低下が軽度である発症早期に治療を開始できれば,より良好な視力予後が得られる可能性がある。

参考文献

1)Ishikawa H, Kezuka T, Shikishima K et al:Epidemiologic and clinical characteristics of optic neuritis in Japan. Ophthalmology 126:1385-1398, 2019
2)Akaishi T, Takeshita T, Himori N et al:Rapid administration of high-dose intravenous methylprednisolone improves visual outcomes after optic neuritis in patients with AQP4-IgG-positive NMOSD. Front Neurol 11:932, 2020
3)Thongmee W, Padungkiatsagul T, Jindahra P et al:Prognostic factors for visual outcomes following the first episode of NMOSD-related optic neuritis in affected eyes. Clin Ophthalmol 14:4271-4278, 2020
4)日本眼科学会:眼科用語集(第6版).527,日本眼科学会,東京,2017
5)Hansapinyo L, Vivattanaseth C:Clinical characteristics, treatment outcomes, and predictive factors in optic neuritis. Open Ophthalmol J 12:247-255, 2018
6)Levin MH, Bennett JL, Verkman AS:Optic neuritis in neuromyelitis optica. Prog Retin Eye Res 36:159-171, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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