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特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著
糖尿病網膜症に伴った血管新生緑内障に対するバルベルト緑内障インプラントの術後長期成績
著者: 八木梨樺1 平井鮎奈1 坂本正明1 西村智治1 町田繁樹1
所属機関: 1獨協医科大学埼玉医療センター眼科
ページ範囲:P.955 - P.961
文献購入ページに移動対象と方法:2014年12月〜2017年9月にBGI(102-350)手術を施行し,5年以上経過観察できた27例31眼(男22名,女5名)を対象とした。BGIは硝子体手術後あるいは硝子体手術と同時に挿入した。平均経過観察期間は73±11か月であった。術前後の眼圧,点眼・内服スコア,logMAR視力および合併症を評価した。
結果:眼圧コントロール不良のため,13眼(42%)で追加の緑内障手術が必要であった。18眼(58%)では追加手術は不要であり,それらの術前および術5年後の眼圧は,37.9±14.4mmHgおよび14.4±4.1mmHgであり,有意に低下した。術前および術5年後の点眼・内服スコアは,4.9±1.2および2.2±1.6であり,有意に減少していた。術前および術5年後のlogMAR矯正視力は,1.38±0.9および0.85±0.6であり,改善傾向がみられた。また,全症例を対象とした術後の合併症は,硝子体出血11眼(35%),脈絡膜剝離7眼(23%),チューブ関連合併症3眼(10%),眼内炎2眼(6%),角膜上皮障害2眼(6%)および前房出血1眼(3%)であった。
結論:BGI手術から5年後において,約6割の症例で再手術を要することなく,眼圧が良好にコントロールされ視力の維持が可能であった。
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