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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科78巻8号

2024年08月発行

文献概要

特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[6] 原著

多様な眼合併症を呈した再発性多発軟骨炎の1例

著者: 三﨑(田原)裕子1 江川麻理子1 佐埜弘樹2 三田村佳典1

所属機関: 1徳島大学大学院医歯薬学研究部眼科学分野 2徳島赤十字病院眼科

ページ範囲:P.996 - P.1002

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要約 目的:再発性多発軟骨炎(RPC)は比較的稀な難治性疾患である。今回多様な眼合併症を呈した1例を経験したので報告する。

症例:79歳,男性。X−20日頃から右耳痛,X−10日頃から右耳介軟骨腫脹とめまいの症状があり,X日に精査のため内科に入院となった。さらに右聴力障害,左視力低下が出現しRPCが疑われ,X+6日に前医眼科を受診した。矯正視力は右1.2,左0.4,両眼の前部強膜炎と左眼の虹彩炎を認めた。耳介軟骨の生検でRPCと確定診断され,X+12日にプレドニゾロン(PSL)20mgの内服が開始された。X+13日の診察時に両眼の後部強膜炎と,OCTで乳頭黄斑間の網膜内層に血流障害を疑う高輝度病変を認め,左視力は(0.1)に低下した。X+16日からPSL 60mgに増量され徳島大学病院(当院)に転院し,X+19日に当院眼科に初診となった。後部強膜炎は改善傾向であったが,左視力は(0.2),中心フリッカ値は15Hzと不良であった。X+1か月後のMRI STIR法で左視神経が高信号を示し,左中心暗点と乳頭蒼白化を認めたことから,急性期に左視神経炎も合併していたと考えられた。

結論:RPCは短期間に増悪し,眼球から視神経に至る広範囲に病変をきたす可能性がある。耳介軟骨腫脹を含めた全身所見を確認し,早期に診断,治療を開始する必要がある。

参考文献

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2)Fukuda K, Mizobuchi T, Nakajima I et al:Ocular involvement in relapsing polychondritis. J Clin Med 10:4970, 2021
3)Gallagher K, Al-Janabi A, Wang A et al:The ocular manifestations of relapsing polychondritis. Int Ophthalmol 43:2633-2641, 2023
4)Hoang-Xaun T, Foster CS, Rice BA:Scleritis in relapsing polychondritis. Response to therapy. Ophthalmology 97:892-898, 1990
5)Mellado F, Talesnik E, Castiglione E et al:Azathioprine as monotherapy for scleritis in relapsing polychondritis. Ocul Immunol Inflamm 20:235-236, 2012
6)Priori R, Paroli MP, Luan FL et al:Cyclosporin A in the treatment of relapsing polychondritis with severe recurrent eye involvement. Br Rheumatol 32:352, 1993

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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