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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科78巻9号

2024年09月発行

文献概要

特集 第77回日本臨床眼科学会講演集[7] 原著

涙腺炎を初発とした特発性外眼筋炎の1例

著者: 末野玲雄1 毛利玲於奈2 中村千晶2 前田奈津子2 岡本史樹1 小早川信一郎2

所属機関: 1日本医科大学付属病院眼科 2日本医科大学武蔵小杉病院眼科

ページ範囲:P.1146 - P.1150

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要約 目的:特発性眼窩炎症のなかでも特発性外眼筋炎に涙腺炎を合併することは稀である。涙腺炎を初発とした特発性外眼筋炎の1例を経験したので報告する。

症例:76歳,男性。右眼の疼痛,充血,眼瞼腫脹,視力低下のため,日本医科大学武蔵小杉病院へ紹介受診した。涙腺生検にて涙腺炎と診断した。ステロイド治療により他覚的所見と自覚症状の改善がみられたが,6か月後に複視を訴えて再来した。画像検査にて外眼筋炎が認められた。再度,ステロイド治療により自覚症状の改善を得た。

結論:涙腺炎に引き続き外眼筋炎を発症した症例を経験した。特発性眼窩炎症では炎症部位が移動する場合があり,長期の経過観察を要する。

参考文献

1)Chaudhry IA, Shamsi FA, Arat YO et al:Orbital pseudotumor:distinct diagnostic features and management. Middle East Afr J Ophthalmol 15:17-27, 2008
2)Otsuka M, Yunoki T, Ozaki H et al:Clinical characteristics of idiopathic orbital inflammation syndrome in relation to intraocular pressure. Clin Ophthalmol 16:1467-1473, 2022
3)Yuen SJ, Rubin PA:Idiopathic orbital inflammation:distribution, clinical features, and treatment outcome. Arch Ophthalmol 121:491-499, 2003
4)山上明子・若倉雅登・井上賢治:特発性眼窩炎症の臨床像の検討.神経眼科33:242-248,2016
5)Mombaerts I:The many facets of dacryoadenitis. Curr Opin Ophthalmol 26:399-407, 2015
6)Avni-Zauberman N, Tripathy D, Rosen N et al:Relapsing migratory idiopathic orbital inflammation:six new cases and review of the literature. Br J Ophthalmol 96:276-280, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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