icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科8巻1号

1954年01月発行

文献概要

私の經驗

注意すべきペニシリン藥用異變?

著者: 中泉行正

所属機関:

ページ範囲:P.91 - P.91

文献購入ページに移動
 近頃化學療法抗生物質が大流行で何でもペニシリンが使用される樣になつて來た。又價格が非常にやすくなり以前の樣に貴重な藥品という事もなく又種々便利なる形で發賣されているので廣範圍に使われる樣になつた。但し如何なる藥品でも藥治効力があると共に一面必ず毒作用もあるもので其點は必ず注意しなければならない。日常最も使用されるペニシリン眼軟膏でも,患者が賣藥を使用して眼瞼縁炎や顔面の濕疹を起す事は屡々經驗することで,結膜炎をなおそうとしてかえつて惡化させたという樣な事も度々の事である。これも「ペ」カブレなどと云われているが,それも事實にはちがいないが軟膏の基劑のワゼリンが惡い事も考えねばならない。ワゼリンも戰前の樣な,アメリカ,チエスブルー社のワゼリンが市販に出る樣になつたからこれを使えばよほどよいと思われる。
 但し今の市阪のペ眼軟膏は皆普通の日本藥局方白色ワゼリンを使つているらしい。又我々眼科醫がペ軟膏を使う時に非常に高單位のものを使う事がある。そうすると若年者では殆んどないが老年者ではその爲に表層角膜炎を起す場合があるらしい。永く高單位を使う事は老人などには考えられねばならない。但しこれもペの中に通常含有される分散劑などの作用も考慮の中に入れねばならない事勿論である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら