臨床眼科8巻10号

1954年10月発行

綜説

視路疾患の鑑別診断と錐体路の障碍—1954年2月25日の早曉，静かに孤高の生涯を閉じられた小柳美三先生の靈に，謹んでこの小著を献げまつる

著者： 桑島治三郞¹

所属機関： ¹東北大学長町分院

ページ範囲：P.987 - P.993

　視路疾患のうち炎性病型に関する見解には従来とかくの誤解が多い。わが国に特殊な「視神経炎」の病型があると信じられているのも，そのひとつの現われである。
　これらの誤解を解くために，球後視束炎の鑑別を主題として，錐体路障碍症歌の検索とその意義とについて概説しておきたい。