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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科8巻10号

1954年10月発行

文献概要

臨床実験

脈絡膜へ轉移した惡性絨毛上皮腫

著者: 小島克1 矢ャ崎嘉朗1 平野潤三1 笹野和子1

所属機関: 1名古屋大学眼科

ページ範囲:P.1006 - P.1009

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 悪性絨毛上皮腫の脈絡膜転移は,臨床例として須田信濃夫氏1)(昭2)の1例と,剖見を兼ねた清水新一教授2)(昭10)の1例がある。尚,戸田慎太郞氏3)(昭28)の瞼皮下転移例や,氏によると瞼結膜転移4)(緒方,吉永,伊藤氏,大2),眼窩脂肪組織内転移5)(松村氏,昭15)があつて,眼科的には珍らしい。外国では現在までに,Mu-loch Houwer (1926)とSlavik7)(1932)の脈絡膜転移の2例がある。睾丸の異所悪性絨毛上皮腫よりの脈絡膜転移は,現在までにReichling8)(1936)やMac Dona'd9)(1936) Godtfredsen10)(1944) Kambapa11)(1949) Kulvin12)(1951)の5例のみである。尚,皮下への転移は,戸田氏によると,大腿内側,腹部(渡辺氏,昭2),腹壁13)(仲野氏,昭13),肩胛皮下(内藤氏,昭19,小指14)(井沢氏,昭17)等の転移をみるという。
 この様に脈絡膜転移は,剖見例として,清水教授の1例と外国の2例のみである。私共は,この意味で,脈絡膜転移例を追補したいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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