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臨床実験
鞍結節部に発したメニンギオームの治験
著者: 脇正敏1
所属機関: 1広島医大眼科学教室
ページ範囲:P.1019 - P.1022
文献購入ページに移動 報告例は35歳男で,1年半前より徐々に視野狭窄,次で視力滅退が進み,最近に至つて初めて軽度の頭痛,左眼窩後部の鈍痛,嗅覚の低下を伴つて来た。両眼単性視束萎縮及び非定型的の両耳側半盲を呈し,レ線像でトルコ鞍は残く,沃度油脳室撮影法の所見とまつて鞍結節メニンギオームと診断した。右側前頭開頭術を施行して,トルコ鞍上部に両側視束及び交叉部を完全に包埋する腫瘍を認め,可能範囲の部分剔出を行つた後,レ線治療を併用した。脳症状の消失,視力,視野の比較的著しい改良は加療後11ヵ月に於てよく保持されつゝあるのを認めた。腫瘍の剔出部分の組織学的所見は,メニンギオーム(Cushing-Eisenhardt分類のType I)である。
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