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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科8巻10号

1954年10月発行

臨床講義

視覚生理学の発祥—Leonardo da Vinciの錯誤とScheinerの実験

著者: 神谷貞義1

所属機関: 1奈良医大

ページ範囲:P.1043 - P.1052

文献概要

 日本で書かれた最も新しい眼科学の教科書に,視力を決定する要素に関して,"網膜像の視単位は1個の細胞であつて,1個,或は相並ぶ2個の視細胞が刺戟されたのでは,光学的部位神は生ずるが,光学的分離能は起らない。視力の重要な要素は,光学的分離神の現われることで,これには視細胞の間に刺戟されない1個以上の視細胞の介在する事を必要とする。視力の良否は,この介在する視細胞の大きさに左右される。"と記されている。亦,或る最近の眼科学の書にも,"光学的分離神の機能が,発動するためには,視細胞間に刺戟されない視単位,即ち,1個以上の視細胞の介在することが,絶対の条件である。そして又,光学的分離神の優劣は,刺戟される視細胞間の距離,換言すると,視細胞の太さに依つて,左右され得ることも容易に首肯される。視細胞の太さによつて,個人の視力の優劣が定まる許でなく,病的に視細胞が膨大し,或は細胞間に滲出液が瀦溜して,其の間隙が拡大しても,同じ結果を招くことになる"と記されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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