文献詳細
臨床実験
文献概要
組織学的に特発生前房内水晶体脱臼症を検した例は西洋ではHirschberg (1876)の報告以来相当数を算し就中V.Michel (1906),Ask (1913)等の発表はこの方面に貢献する所大である。それに比し我国に於ては中村辰之助(明43)の報告(厳格に言えば外傷性である。)以外僅かに小柳(大6)神島(昭24)の報告があるに止まる。
私等は幸い此の1材料を得て,之れを鏡検する機会に惠れた。而も本例では斯かる際好発すべき続発性緑内障の成立を臨牀的に将又組織学的にも認め得なかつた。依つて本例の所見を詳述し本症の知見(就中剖検知見)補遺たらしめると共に水晶体脱臼の成立機転及び緑内障を伴わなかつた理由に関しても卑見を述べて見度い。
私等は幸い此の1材料を得て,之れを鏡検する機会に惠れた。而も本例では斯かる際好発すべき続発性緑内障の成立を臨牀的に将又組織学的にも認め得なかつた。依つて本例の所見を詳述し本症の知見(就中剖検知見)補遺たらしめると共に水晶体脱臼の成立機転及び緑内障を伴わなかつた理由に関しても卑見を述べて見度い。
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